1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680253
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
白神 澄二 広島大学, 学校教育学部, 助教授 (90162768)
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Keywords | 定量的生物実験 / 光合成量 / ウキクサ / 蒸散量測定 |
Research Abstract |
生物教育に活用できる定量的な実験・観察の開発として,平成2年度は,「光の強さと光合成量」,及び「外的条件と蒸散量」について定量的に測定する実験方法の研究を行った。 「光の強さと光合成量」の実験開発としては,ウキクサを用いて「光の強さと成長量の関係」を定量的に調べる実験方法について研究した。即ち,各照度におけるウキクサの成長量(湿重量)を,24時間毎に電子てんびんで計量した。その結果,実験期間を5〜6日に設定すると,照度8,000ルクスまでは,ウキクサの成長量(湿重量)は,照度(ルクス)に比例することが明らかになった。又,今回の研究で,8,000ルクスまでならば,等差級数的な照度に設定しなくても,即ち任意の照度で成長量を測定しても,光の強さと成長量の関係は比例関係にあることがとらえられることが明らかになった。この実験では,一定の照度に調整することが困難であるため,照度を調整する簡単な方法を開発することが次年度の研究課題である。 「外的条件と蒸散量」に関する研究では,蒸散量の定量的な測定方法を確立した。即ち,一定時間に蒸散した水量の測定は,減少した水量を電子てんびんで計量した。又,葉面積の測定は,実験に用いた植物の葉を厚紙に写しとって切り抜き,その重さを面積に置換する方法を用いた。この方法によると,授業時間内の実験で,外的条件(光・温度・湿度など)や植物の種類による蒸散量の差を定量的に求めることができることが分かった。この実験における外的条件の条件設定の在り方や,実験に最も適する材料を明らかにすることが次年度の研究課題である。
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