Research Abstract |
生物教育に活用できる定量的な実験・観察の開発として,平成3年度は,次の二つの事項について研究を行った。 1.陸生植物を用いた「光の強さと光合成量」の実験の開発 「光の強さと光合成量」の関係を調べる実験として,ウキクサの代わりに常緑樹の葉を用い,各照度における光合成量を調べる方法の開発を試みた。各照度における光合成量は,一定時間後(15,30,45,60分)における二酸化炭素の減少量を,ガス検知器を用いて測定した。その結果,この方法で,光の強さと光合成量の関係をとらえることのできるグラフが得られることが分かった。ただ,この方法では,各実験毎に材料を入れ替える必要があり,この点の改善を要することが問題点として残った。 2.「温度と呼吸量」の実験の開発 「温度と呼吸量」につての定量的測定実験の開発では,本年度は,水生動物(メダカ)を用い,各温度における呼吸量を,水中に排出された二酸化炭素量を呈色反応を用いて測定する方法と,鰓蓋の運動回数で測定する方法とで行った。前者の方法では,呈色反応を目で判定するため,デ-タのばらつきが大しく,方法の改善が必要であること分かった。後者の方法は,理論値に近い方法が得られるので,生徒実験としては後者の方が適していることが分かった。だだ,メダカの高温時の呼吸運動は速いので,測定がしやすい動物を見つけ出すことが,今後の課題である。 また,「温度と呼吸量」の関係を調べる実験として,現在,発芽種子を用いて,各温度における呼吸量(二酸化炭素の排出量)を定量的に測定する実験を開発中である。
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