1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680254
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松村 幹男 広島大学, 教育学部, 教授 (30033559)
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Keywords | 英語教師 / 用語 / 用語としての「英語教育」 / 市川斎宮(兼恭) / 種田織三 |
Research Abstract |
本研究では,主として,2つの視点から明治期における学校英語教育史の実態を明らかにしようとした。 その第一は,英語教師研究である。とりわけ,すぐれた英語教師を発掘し,その特色,特質を明らかにしようとした。研究代表者は,これまでにも長年にわたってこの方面の研究に力を注いできた。外山正一,岡倉由三郎,神田乃武,高橋五郎,定宗数松などはその一例である。本研究の一部として本年度は,明治期英語教育の先史に位置づけられるものとして本邦ドイツ学の先駆者市川斎宮について日本英学史学会広島支部例会で発表した。(「洋学者市川斎宮について」)また、中国四国教育学会では「種田織三に関する報告」を発表した。種田は,明治3年から4年にかけて大学南校で行なわれた貢進生の教育プロジェクトに北海道から推挙されたが,貢進生以後の動静が不明であると,唐沢富太郎博士に指摘されていた人材である。なお,明治期以後のものとして「実践者としての飯野至誠」「垣田直巳先生の生涯と業績」を活字化した。これらの研究を通して,すぐれた英語教育の資質には時代を超えた共通性があることが確認されつゝある。 第二は英語授業の形成と展開についてである。集成し得た文献の調査から,あらたに加え得た英語教授要旨,授業実践例はなかった。そのため,主力を英語教授・学習の用語・概念の出現状況の調査に移すことにより第二の分野にアプロ-チした。用語としての「英語教育」については中国地区英語教育学会で口頭発表した。その他に,たとえば「復習」という用語は明治9年から,「習熟」は明治14年から,英語教育界では使用され始めていることなどを見出している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 松村 幹男: "種田織三に関する報告" 英学史会報.
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[Publications] 松村 幹男: "洋学者・市川兼恭について" 英学史会報.
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[Publications] 松村 幹男: "「英語教育」いう用語について" 中国地区英語教育学会.
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[Publications] 松村 幹男: "英語教育用語に関する調査" 英語教育研究.