1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02801035
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
松本 蕃 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (10024077)
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Keywords | 重度・重複障害児 / 首すわり / 認知構造 / 反射 / 動作解析 / うつ伏せ / 小脳 / 大脳辺縁系 |
Research Abstract |
本年度は,重度・重複障害児の首すわりを反射中心にVTRで観察するため,健常児の赤ちゃんの首すわりの動作解析と認知構造をVTR・写真撮影で考察検討を加えてみた。殊に日本事務光機株式会社のVMAの動作解析を使ってこの両者の比較検討を試みている。 健常児の0才〜3ケ月間の赤ちゃんのおける行動をVTR・写真並びにVMAで分析してみるとやはり,認知構造ことに視覚系・聴覚系(これらを認知構造系とよんでもいゝと思われる)の刺激・情報に対する受容ならびにその整理は完全に出来上がっているといえる。唯・運動系においては,それらが,粗大的であるにすぎず,大脳皮質(新皮質),大脳辺縁系・脳幹部ー脊髄系の運動系は刺激・情報を与えれば,徴細なしかも巧緻的な運動はできないにしても粗大運動は可能であることが理解できた。しかも胎内から生後3週間において,認知の機能は連続的に働き,両親兄弟の区別と他人の区別ははっきりと視聴覚を通して出来ることが考えられた。しっかりとした首すわりは一ケ月をすぎた頃から表われるが,生後直後から3週間目位までは,うつ伏せ姿勢においては,緊張性迷路反射と上肢のATNRが顕著であり,下肢においては仰臥位では屈曲反射・足底反射等が表出している。この上肢のATNRが首すわりを阻害している原因のようである。重度・重複障害児においては,どの年令においても始めは,どこに反射が存在し全く反射が認められない。それら原始反射が表出する特にCP児においては生後3ケ月頃に大きな分岐点があるようにこの結果から予想される。尚,認知においては,健常児の乳児において目のまばたき反射(注視・追視を含む)との関係を研究する必要性を感じた。今後はこの瞬目反射と認知構造を検討することが重要であり,首すわりは,独立した全行動の体制化の一つと考えるのが妥当である,全て児は小脳以下のレベルは機能しているものである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 松本 蕃 大西 英夫: "重度・重複障割児について(1)" 愛知教育大学研究報告. 40. 171-183 (1991)
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[Publications] 松本 蕃: "重度・重複障害児の首すわりの三次元移行と認知構造" 愛知教育大学教科教育センタ-研究報告. 14. (1991)
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[Publications] 松本 蕃: "重度・重複障害児の首すわりの三次元移行と認知構造" 愛知教育大学治療教育学研究. 11. (1991)
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[Publications] 松本 蕃: "重度・重複障害児の首すわりの三次元移行と認知構造" 日本特殊教育学会第29回大会.
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[Publications] 松本 蕃: "重度・重複障害児の首すわりの動作解析" 日本心理学会第55回大会.