1991 Fiscal Year Annual Research Report
地震入力エネルギ-の分担率に基づく終局耐震設計法に関する研究
Project/Area Number |
02805053
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Research Institution | Grant-in-Aid for Scientific Research (C) |
Principal Investigator |
家村 浩和 京都大学, 工学部, 助教授 (10026362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成行 義文 徳島大学, 工学部, 講師 (20127848)
伊津野 和行 京都大学, 工学部, 助手 (90168328)
杉戸 真太 京都大学, 工学部, 助手 (60115863)
山田 善一 京都大学, 工学部, 教授 (60025856)
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Keywords | 地震エネルギ- / 損傷規範 / エネルギ-分担率 / 免震支承 / ハイブリッド実験 / 修復部材 / 最適制御 / 終局耐震設計法 |
Research Abstract |
構造物の合理的な耐震設計を実現させるには、構造物に入力される地震エネルギ-を低くおさえると同時に、入力されたエネルギ-については、これを積極的に吸収するとともに、残りのエネルギ-については主構造部材が弾性域または弾塑性域で健全に抵抗するべきである。従来の耐震設計では、構造物の地震応答加速度や変位の瞬間的な最大値を設計規範として採用している。地震動の継続時間を含めた総合的な観点からは、エネルギ-で評価することが望ましい。 本研究では、まず地震動によるエネルギ-が構造物の質点系の運動エネルギ-や部材のポテンシャルエネルギ-として入力され、粘性や履歴特性によって吸収されていくエネルギ-分担の課程を明らかにし、この概念を用いて終局耐震設計法の新しい枠組を提案しようというものである。 本年度の研究実績の概要は、次の通りである。 1.処女膜型RC部材および損傷後の修復部材を用いたハイブッド地震応答載荷実験の結果から、履歴吸収エネルギ-量が、損傷度判定の最も精度の高い規範であることを立証した。 2.各種の異なった機構を有する免震支承のハイブリッド実験を行い、その免震特性を比較した。特に履歴吸収エネルギ-と免震効果との関係を定量的に検討した。 3.構造物の振動エネルギ-と振動制御力のエネルギ-の総和を最小とする規範で、地震入力に対する最適振動制御則を開発し、フレキシブルな構造物モデルに対する数値シュミレ-ションを行った。その結果、受動的および能動的手法を組合わせたハイブリッド振動制御則が、エネルギ-効率の最も優れたものであることが判明した。 4.長周期地震動およびフィリピン地震報告についても調査研究した。
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[Publications] 山田 善一: "ハイブリッド地震応答載荷実験手法による高減衰ゴム支承の免震効果" 構造工学論文集. Vol.37A. 851-862 (1991)
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[Publications] 家村 浩和: "曲げ梁の振動制御におけるハイブリッドコントロ-ル手法の有効性" 振動制御コセキウム講演論文集. 233-240 (1991)
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[Publications] 家村 浩和: "Aseismic Design of the Akashi Kaikyo Bridge with MaltiーSupport LongーPeriod ground Motion" Proc of International Workshop on Techmology for Hong Kongls Infrastructure Devebopemont. 247-257 (1991)
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[Publications] 家村 浩和: "1990年7月フィリピン地震災害の概要と特徴" 自然災害科学. 9. 71-86 (1991)
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[Publications] 家村 浩和: "Earthguake Energy Partioning in Brdge Structures with Seismic Isolators" Proc.of 10th World Conference on Earthgnake Engineeing,Spain.(1992)
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[Publications] William Tanja: "Substured Hybrid Loading Tests of HighーDamping Rubber Seismic IsolaTers for Inelastic Earthguake Response of Bridge Structures" Proc.of 10th World Conference on Earthguake Engineling,Spain.(1992)
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[Publications] 家村 浩和(分担執筆): "構造物の振動制御" 土木学会, 172 (1991)
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[Publications] 家村 浩和(分担執筆): "人道橋の景観設計ーその機能と美しさー" 鹿島出版会, 227 (1991)