1990 Fiscal Year Annual Research Report
αーフルオロアクリル酸フルオロアルキルのアニオン重合による新規高分子化合物の合成
Project/Area Number |
02805117
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
成田 正 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (10011066)
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Keywords | αーフルオロアクリル酸メチル / αーフルオロアクリル酸トリフルオロエチル / アニオン重合 / ポリ(αーフルオロアクリル酸メチル) / ポリ(αーフルオロアクリル酸トリフルオロエチル) |
Research Abstract |
αーフルオロアクリル酸メチル(CH_2=CFCOOCH_3)(MFA)およびαーフルオロアクリル酸トリフルオロエチル(CH_2=CFCOOCH_2CF_3)(TFEFA)は、電子吸引性の高いフッ素の影響により、アニオン重合反応性が高いと考えられるので、種々の開始剤を用いて検討した。その結果、メタクリル酸メチルの重合に活性の高い開始剤であるnーC_4H_9Li、C_2H_5MgBrなどではポリマ-は得られないが、MFAの重合をLiZnC_4H_9(C_2H_5)_2、LiAlC_4H_9(C_2H_5)_3などのア-トコンプレックスを開始剤として行なった場合には、ポリマ-が高い収率で生成することが分かった。TFEFAの場合にも比較的低収率ではあるが重合体が得られた。一方アニオン重合開始剤としては反応性が低いとされている有機亜鉛系、有機アルミニウミム系では、高収率でポリ(MFA)、ポリ(TFEFA)が生成する重合系を見いだした。特に(C_2H_5)_2Al(NCCHCOOC_2H_5)によるMFAの重合では80%、[Zn(OCH_3)_2・(C_2H_5ZnOCH_3)_6]を開始剤とした場合には50%の収率でポリマ-が得られた。現在までに得られた結果によると、MFAの場合の方がTFEFAの場合よりポリマ-収率が高い。従がってこの重合反応系ではエステル残基の影響が強く現れていると考えられる。LiAlC_4H_9(C_2H_5)_3を開始剤とし、トルエン溶媒中、40℃、7日という条件で生成したポリ(TFEFA)のゲルパ-ミエイションクロマトグラフによる測定結果では、分子量分布は単分散であり、平均分子量は2.0×10^4(ポリスチレン基準)となった。ポリ(MFA)の場合も若干分子量が低いものの同様の結果となった。ポリ(MFA)、ポリ(TFEFA)の^1HーNMRを測定した結果、いずれのモノマ-もビニル重合体であることが判明した。
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Research Products
(1 results)