Research Abstract |
本年度は,火山灰土壌(おもにMelanic Andisol),それらから抽出したフルボ酸,および新たに9種のカビのアミノ酸濃度とその組成を分析した. また,火山灰土壌に対する対照として沖積土壌のアミノ酸濃度と組成を分析した. 1.火山灰土壌,フルボ酸,カビ,沖積土壌のアミノ酸濃度は,それぞれ 630-3,700,760-4,100,1,100-8,600,1,600-2,100μmol/gCの範囲にあった. 2.火山灰土壌のアミノ酸組成は,一般的に,酸性アミノ酸であるグルタミン酸,アスパラギン酸,中性親水性アミノ酸であるグリシン,アラニンの比率が高く,ついで中性疎水性アミノ酸が続き,塩基性アミノ酸アミノ酸は低い比率であった. 3.フルボ酸のアミノ酸組成は,火山灰土壌および腐植酸とは異なり,グルタミン酸の比率が高かった. 4.カビのアミノ酸組成は,昨年の分析結果と同様,酸性アミノ酸であるグルタミン酸,アスパラギン酸,中性親水性アミノ酸であるグリシン,アラニンの比率が高く,ついで中性疎水性アミノ酸が続き,塩基性アミノ酸の比率は低かった. 5.沖積土壌のアミノ酸組成は,火山灰土壌および腐植酸に比較して酸性アミノ酸の比率が低かった. 6.今までに得られたアミノ酸組成(火山灰土壌,腐植酸,フルボ酸,植生,微生物,沖積土壌)をパラメーターとして主成分分析を行なった.その結果,火山灰土壌(その腐植酸,フルボ酸)は,植生,カビ,沖積土壌とは異なる主成分分布をし,Andisolは固有のアミノ酸組成を示すことがわかった.
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