1990 Fiscal Year Annual Research Report
間伐経営の展開に関する実証的研究ー経年写真による間伐マップと林分構造の分析ー
Project/Area Number |
02806030
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
魚住 侑司 鳥取大学, 農学部, 講師 (30032105)
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Keywords | 間伐 / 空中写真 / 樹冠疎密度 |
Research Abstract |
1.今日、日本には1,000万haに達する人工林が存在するが、労働力不足並びに材価の低迷のために間伐は遅れる傾向にあり、その実態把握は緊急の課題となっている。しかし、今日までその全般的な把握は困難となっている。 2.本研究では、5年間隔に撮影が行なわれている空中写真を利用することによって間伐の実態を把握することを試みた。 3.従来、反射鏡式実態鏡では3倍双眼鏡が使われていたが、微細な樹冠疎密度の変化を計測するために6倍双眼鏡を用いた。 4.また、微細な樹冠疎密度の変化を計測するために点格子板の改良を行なった。 5.その結果、点の直径0.1mm、点の間隔0.3mm、点の色は赤の下図のような微細点格子板を2枚使用して実体視を行なって計測することによって、間伐に伴う樹冠疎密度の微細な減少を計測することが可能となった。 6.下表は、スギ人工林について1979年・1984年・1989年の5年間隔に撮影が行なわれた空中写真3種類を使って判読した結果である。これによると、1979年〜1984年の間に間伐が行なわれた林分1〜3では1984年の空中写真では樹冠疎密度が減少していることを確認することができた。また、1984年以降に間伐が行なわれた林分4では1989年の空中写真で樹冠疎密度が減少していることを確認することができた。 7.従って、本研究で開発された方法によって空中写真から間伐の実施を確認することが可能となった。 8.本研究の2年目には、過去数度にわたって撮影が行なわれた空中写真を利用することによって、同一林分について40年近くの期間の間伐の実施状況を計測する予定である。
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Research Products
(1 results)