1991 Fiscal Year Annual Research Report
拡散不安定場におけるパタ-ン形成と根系・土塊の土成過程
Project/Area Number |
02806046
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Research Institution | Grant-in-Aid for Scientific Research (C) |
Principal Investigator |
澁澤 栄 島根大学, 農学部, 助教授 (50149465)
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Keywords | フラクタル / Lシステム / パタ-ン形成 / 根系 / 成長モデル / 亀裂 / 土塊 / 耕うん |
Research Abstract |
本研究は,ひげ根系作物の根系パタ-ン形成とロ-タリ耕うんによる土塊形成を結び付けた解析理論の展開をめずす萌芽的な研究として開始したものであるが,特に今年度の目的として,(1)拡散不安定場における2次元パタ-ン形成問題の解析,(2)根系パタ-ン形成のアルゴリズムと解析プログラムの開発,(3)根系パタ-ンと土塊形成における破壊面発達の制御パラメ-タの考察,を掲げて研究を展開した。実施結果は以下の通りである. 1.トウモロコシ根系分布パタ-ンを画像解析し,異方的なべき分布特性を発見して自己アフィンフラクタル性を確認した.これは土破壊面発達と共通する特徴をもつ可能性があることを示すものである. 2.複雑なトウモロコシ根系の形態を観測スケ-ルの大小に着目して階層的モデルングを実施した.全体的特徴としては根系分布のべき分布特性や根密度などをモデリングし,メタル-ルとして定式化した.最も小さなスケ-ルは根端の伸張運動で,ランダム転頭運動と屈地性などを基礎にしたル-ルを作成した.中間的なスケ-ルは根系分枝の規則化可能な大きさを選択し,確率Lシステムを応用した根系分枝ル-ルを定式化した. 3.階層的モデリングで得られた各ル-ル群を用い,大局的には大スケ-ルのル-ルが小スケ-ルのル-ルを制約するという階層間の相互関係を基調として,根系生長モデルを作成した. 4.作成した根系生長モデルを用い,不定根及び1次分枝根と2次分枝根の各生長のシミュレ-ションを実施し,実際に得た根系形態とよく一致することを確認した. 以上,上記(2)の目的は基本的に達成でき,(1)と(3)の目的が取り組める基礎的な知見が得られた.しかし(1)と(3)に関しては,(2)の研究が予想外に困難だったので,十分に取り組むことはできなかった.
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[Publications] 澁澤 栄: "作物根系のべき分布とLシステム" テラメカニックス. 11. 73-81 (1991)
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[Publications] 澁澤 栄: "Lシステムを利用した作物根系生長モデル" 中国・四国の農業気象. 4. 96-99 (1991)
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[Publications] 澁澤 栄: "2次元根系生長モデル" 農業機械学会関西支部報. 71. 29-32 (1992)
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[Publications] 澁澤 栄: "土壌密度変化のトウモロコシ根系分布への影響" 農業機械学会誌.
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[Publications] Sakae SHIBUSAWA: "Fkactals in clods formed with kotaxy tillage" Jouknal of Tekkamechanics.