1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02807073
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塚田 英昭 京都大学, 医学部, 助手 (30207336)
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Keywords | glycosylation / acylation / prostaglandin / ethanol / palmitic acid / galactosamine |
Research Abstract |
胃粘液細胞におけるmucus glycoproteinのOーglycosylationおよびacylationは胃粘液細胞リボゾ-ムにおけるtranslationの時相に一致して起こる事を確認した.また平成3年度の研究計画の一部である,アルコ-ルおよびプロスタグランジンによる影響も既に検討できた.アルコ-ルによる影響では,低能度エタノ-ル(0.05ー0.1mol./L(以下Mと略す)では,粘液糖蛋白の合成および分泌を促進したが,高濃度エタノ-ル(0.5ー1.5M)では生合成を著明に低下させた.これらの高濃度エタノ-ルによる粘液合成傷害はプロスタグランジンにより有意に軽減したが,この効果はあらかじめプロスタグランジンを前投与した場合に著明であった.プロスタグランジンはエタノ-ルの存在下において,胃粘液糖蛋白の生合成および分泌過程を維持させると考えられた(塚田英昭,他:Prostaglandin Eー1のエタノ-ル胃粘液傷害に及ぼす影響.日本消化器病学会雑誌87巻10号,1990,2342ー2351).またリボゾ-ムレベルでの検討では,各標識物質の測定値自体が低く,エタノ-ルによる影響は,エタノ-ル0.5Mでは明らかではないが,1.5Mでは著明な低下が認められ,高濃度エタノ-ルによる胃粘液合成傷害は,リボゾ-ムのレベルでも起こっていることが示唆された(塚田英昭・他:プロスタグランジンの胃粘液合成過程に及ぼす影響 第76回日本消化器病学会総会.1990).しかし,平成2年度に予定していたOーglycosylationとacylationの,どちらが先行して起こるのかの確認は実際に実験を遂行すると,その判定が非常に因難であった.この点については,平成3年度に再検討したい.
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Research Products
(2 results)