1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02807074
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小出 典男 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (20142333)
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Keywords | プロチオグリカン / グリコサシノグリカン / スフェロイド / p450 / 初代肝細胞培養 / 解毒 |
Research Abstract |
1.合成プロテオグリカンのスフェロイド形成能 肝由来プロテオグリカン中のスフェロイド形成に有効な分子は、bigly can(200KD)とdecorin(108KD)であることが判明した。スフェロイドの形成機構にはこれらのプロテオグリカンガコア蛋白を介しい固相化され、遊離糖側鎖が細胞と相互作用を起すことが重要であることが判明した。スフェロイド形成における糖側鎖特性については天然及び合成プロテオグリカンを用いて検索したところ、コンドロイチン硫酸系糖側鎖にはスフェロイド形成能がみられるものの肝に最も多いとされるヘパラン硫酸系糖側鎖にはその作用が極めて弱いことが判明した。合成プロテオグリカンではコンドロイチン硫酸とフォスファチジールエタノールアミンを共有結合させたCS-PEに最も強力なスフェロイド形成能が認められた。 2.スフェロイドにおけるP450発現 当該年度以前ではスフェロイドの発現は、ミクロゾーム蛋白量、酵素活性と共にP450-redu Daseを中心としてcPNAを用いたNortherin blat法により解析を行った。当該年度では抗p450-IIIA2,-IIE1,-IIA1,IIC11,IIB1抗体を用いたWestarn blot法により解析を行った。単層培養肝細胞では培養5日までにすべてのタイプのP450産物は培養開始時の5%以下に減少した。一方、スフェロイドではタイプにより差違が認められ、フェノバルビタールに誘導される-IIIA2が最も良く維持(培養初日の60%)されることが判明した。他のタイプはいずれも培養5日で20%以下に留まった。いずれのタイプも培養開始と共に発現が低下し、スフェロイド形成が完了する培養4日項から再び発現が回復する傾向が認められた。
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[Publications] M Kawaguchi, 他: "Combination of epidermal growth factor and insulin is required for multicellular spheroid formation of rat hepatocytes in primary culture" Acta Med Okayama,. 46. 195-201 (1992)
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[Publications] H.Hada, 他: "Detection of an antibody to the hepatitis C virus El envelope protein in sera of patients with chronic liver disease by western blotting." Acta Medica Okayama. 46. 365-370 (1992)
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[Publications] 小出 典男、 他: "肝細胞spheroidをバイオリアクターとする人工肝機能補助装置のプロトタイプ開発" 組織培養、. 18. 418-423 (1992)
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[Publications] H Takabatake, 他: "Encapsulated multicelllular pheroids of rat hepatocytes produce albumin and urea in a spouted bed circulating culture system." Artificial Organs. 15. 474-480 (1991)
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[Publications] 肝細胞外マトリックスと細胞増殖制御: "肝炎における肝細胞障害と肝細胞増殖の問題をめぐって," 日本医学館, 154 (1991)