1991 Fiscal Year Annual Research Report
言語習得過程についての人間関係学的研究(言語・発達臨床論)
Project/Area Number |
02808017
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Research Institution | Shiraumegakuen College |
Principal Investigator |
佐々 加代子 白梅学園短期大学, 保育科, 教授 (20113285)
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Keywords | 言語習得過程 / 母子関係の形成過程の類型 / 早期形成の要因 / 人間関係(母子関係)が関与 / 母子関係と言彙発達 / 相互に関連 / 保育者の質 / 機能 |
Research Abstract |
II報はI報と連続して,言語発達第一期のコミュニケ-ション関係成立期から第二期話しことばの確立期までについて,母子関係の形成過程と言語発達との関連性の検討とする。母子関係の形成過程の類型を示した。1)早期形成型,2)標準型,3)遅滞A,B型である。母子関係成立第二期触体験期までが順調である場合は1)2)であり,遅滞すると3)となる。2)は第二期光降に“たわみ"がみられる。たわみの変化する節(ふし)をみると発達の質的転換の内容が見出せるが保育者の読みとり能力なしには果たせない。たわみのないところは、子どもの側からの明らかな接近傾向がある。関係の形成過程に保育者の質が求められるということになる。 早期形成型の一列についてその過程の内容を分析した。発達初期からのTゾ-ン育児と、子どもの信号行動系の読みとりの微調整の結果であることが示唆された。遅滞型は母親の側の要因が大であることも判明した。両者のかみ合いとはあるものの,関係の修復には母親の意識改革とかかわり方の質と量が求められる。変換ない場合は関係の歪みが国着化する。言語発達遅滞の典型例ともなる。 発達の速度差は早期と母子関係が形成されたがどうかによる。4〜5か月の差は大量の母国語の貯えとも関連する。両者で育まれる質の差によっては,いく通りもの遅滞型ができることになる。 母子関係の形成過程の類型にみる語彙発達は早期形成型ほど急速に母国語の統語機能も習得していた。聞く,聞きとめる間板故と考えられた。 ひとり歩行以前に母子関係がどの段階にあるのかによってその後の発達の様相が異なってくる。「母親」が機能し,子どもがコミュニケ-ションのコツを得てこそ(母子関係の成立)のちの言語発達と関連する。III報では言語発達の第三期までの成果をふまえた上で、人間関係の要因についてさらなる検討を加えたい。
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Research Products
(2 results)