2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本人学習者を対象とする中国語教授法の開発に関する教育心理学的研究
Project/Area Number |
02F00007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宇野 忍 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HU Yuhua 東北大学, 大学院・教育学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 中国語学習 / 「声調」学習 / VT法 / 「前置詞」学習 / コミュニケーション能力 / 言語状況づきの学習 / 学習動機 |
Research Abstract |
今年度は,「日本人学習者を対象とする中国語教授法の開発」に関する4つの実験研究を行った。 1.「中国語学習におけるVT法による声調指導法についての教育心理学的研究」 日本人学習者にもっとも難しい学習内容である「中国語の声調」(アクセント)を取りあげ、VT法(言調聴覚論:Verbo-Tornal Systemに基づいた身体のリズム運動による発音指導法)による指導法の有効性について実験研究を行い、胡が開発した「身体リズム運動」を伴った声調学習の指導法の有効性を確認した。 2.「"介詞"学習の指導法に関する教育心理学的研究」 まず、中国語文法の難点かつ重要点である「介詞」(前置詞)の学習実態を調査し、英語の「前置詞」を手がかりとした現行の指導法による学習では、中国語の「介詞」の語順規則と英語の「前置詞」のそれとを混同してしまう恐れがあることを明らかにした。次に、そのような混用による誤りを防ぐため、現行の指導法の「改善案」を作り,それに沿った学習指導がある程度効果的であったことを確認した。 3.「コミュニケーション志向の外国語授業の開発に関する教育心理学的研究」 日本人学習者の中国語によるコミュニケーション能力の実態について調査をし、学習者が言語的知識を欠いているわけではなく、その知識を実際のコミュニケーションの場面に応用する能力が欠けていることを明らかにした。その結果に基づいて、「言語状況づきの学習」が学習者のコミュニケーション能力の育成に有効であろうという仮説を提起し、それを実験によって検証した。 4.「学習動機の違いが中国語学習にもたらす効果に関する実験研究」 中国語初級クラスの学生を対象に、彼らの学習動機や中国語学習への期待を測定し、それらの違いと履修成績との間の関連を明らかにするための質問紙調査を実施した。結果は現在研究報告として取りまとめ中である。
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Research Products
(1 results)