2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塩地 洋 京都大学, 経済学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU FANG 京都大学, 経済学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 中国 / 日本 / 自動車流通 / 中古車 / 輸入車 / 経紀公司 / 中古車取引市場 / 仲介 |
Research Abstract |
2年間にわたり、転換期における中国の自動車流通販売システムを大きな研究課題としたが、具体的には現行の中国中古車及び輸入車の流通販売実態を明らかにすることが目的であった。今年度は前年度に続き中国に帰り、自動車交易市場、中古車取引市場を訪問し、取材調査しました。調査を通じて、現在の中国中古車業界はまだ複雑であるが、取引の主要形態はブローカー的な行為から経紀公司を主体とする形態へシフトしてきたことが分かった。この経紀公司は政府が指定されている中古車取引市場内で設置しなければならなく、しかも、中古車の売買ではなく、仲介業務しか取扱えないので、年間80万台から100万台に達し、これから毎年20〜30%のスピードで増加している中国中古車市場の発展にとって適応しないのが明らかである。そして、輸入車市場はWTO加盟後急速に拡大し、1998年の4万台から2003年の17万台までに増加した。このような大量に増加した輸入車を円滑に流通させるために、各外国メーカーは中国国内で自社独自の流通経路を建設し始め、中には中国国内の合弁メーカーの流通経路を整理し、輸入車販売の基準に達している販売店に輸入車の販売権を与えているメーカーもあれば、中国国内の合弁メーカーの流通経路を全く使わずに、輸入車の流通経路を新たに作ったメーカーもある。この中国自動車流通販売システムに関する調査研究の成果は、日中友好経済懇話会に依頼され、2004年2月12日に講演し、講演の内容はさらに文章化して、日中友好経済懇話会ニュースに掲載される予定である。また、「中国自動車関連市場の発展」という論文を執筆し、大西広編著『中国市場-その発展と魅力』紫翠会出版に収録される。 今年度には以上のような中国自動車流通販売システムに関する調査、研究以外に、日本国内においても前年度に続き中古車市場に関する調査、資料収集を行い、ヤナセブランドスクエア横浜、日産カレスト幕張、ジャックカーレット大阪などの中古車関連企業を訪問した。その成果は「日本中古車市場の形成と日本中古自動車販売協会連合会(JU)の役割」という論文にまとめていたが、新たに追加調査が必要となってきたため、投稿を控えている。もう少し調査し、修正を加えた上で、投稿する予定である。本論文は中国の中古車流通の現状を念頭に置いてまとめたものであるので、自動車流通政策に関わっている中国の政策当局者に有益なサジェストを示しうるものであると確信している。
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Research Products
(2 results)