2002 Fiscal Year Annual Research Report
半線形発展方程式の解の存在およびその収束についての研究
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02F00034
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
塩路 直樹 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GEORGESCU Valeriu Paul 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | Co-semigroup / nonoptimal rate / mild solution / dissipativity / subtangential condition |
Research Abstract |
Xを実バナッハ空間とし、{T_1(t)},{T_2(t)}をX上のC_<0->半群とする。t→0+のときの‖T_1(t)-T_2(t)‖の無限小の度合についての議論を行なった。それがO(t)となるための必要十分条件はこれまでに色々研究されているが、O(t^α) (0<α<1) となるかというようなことは余り研究されていない。まず簡単にわかることだが、‖T_1(t)-T_2(t)‖の無限小の度合はO(t)よりは小さくならない。すなわち、o(t)ならば2つのC_<0->半群は一致する。よって、各α∈(0,1)に対し、|T_1(t)x_α-T_2(t)x_α|=O(t^α)かつ|T_1(t)x_α-T_2(t)x_α|≠o(t^α)を満たすx_αが存在するかという問題が考えられる。T_2≡Iの場合は、Davydov[Manuscr. Math. 79]によって、{T_1(t)}の生成作用素が非有界であれば、そのようなx_αが存在することが知られている。ここでは、T_2〓Iの場合にどういう条件でそのようなx_αが存在するかの結果を得た。すなわち、α∈(0,1)に対し、0【less than or equal】β<α<γ【less than or equal】1を適当にとり、lim sup_<t→0+>‖T_1(t)-T_2(t)‖/t^β>0かつ∩_<i=1,2>{x∈X:sup_<0<t<1>|T_i(t)x-x|/t^γ<∞}がXでちゅう密であるならば、上記のようなx_αが存在することを示した。 次に、X上のC_<0->縮小半群{T(t)}を生成するAと連続なB:D→Xに対し、初期値問題u'(t)=(A+B)u(t), t≧0, u(0)=x∈Dの解の存在のための必要十分条件を現在調べている。ただし、Xは実バナッハ空間で、DはXの閉集合である。B=0, D=Xの場合は、有名なHille-Yosidaの定理がこれに相当する。考えている条件としては、A+Bのsubtangential条件および消散条件を拡張したものである。A+Bの条件とは言うが、実際は{T(t)}とBで条件を表す。また、A+Bの消散条件を拡張拡張したものとは、通常の消散条件のように【less than or equal】0の条件を与えるのではなく、【less than or equal】w(|x-y|)のような条件を一意可解関数wを用いて与えたい。すわなち、w:[0, ∞)→Rは、r'(t)=w(r(t)), t【greater than or equal】0, r(0)=0の解がr≡0だけとなるものである。w(r)=cr(cは定数)はこのような一意可解関数の例であり、【less than or equal】c|x-y|の場合には、過去の結果がある。ここでは、一般の一意可解関数に対して同じような結果が成り立つかを調べ、ほぼ成功している。
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