2002 Fiscal Year Annual Research Report
多重ポテンシャル井戸をもつ変分問題と関連する時間発展問題の研究
Project/Area Number |
02F00035
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小俣 正朗 金沢大学, 理学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHOU Tianshou 金沢大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 変分問題 / 離散勾配流 / 非線形偏微分方程式 / 数値解析 / 多重ポテンシャル / ギンツブルグランダウエネルギー |
Research Abstract |
多重ポテンシャル井戸が現れる変分問題について研究を行っている。変分問題としては、主要項がデリイクレ積分と同等で、非線形項として多重ポテンシャルを持つものにあたる。本研究は2002年8月からスタートしたばかりで結果は余り出ていない。 反応拡散方程式の場合について、特にexicitableな媒質中での解の挙動について、新しい動的な座標を導入して挙動を詳しく分析した。また、この場合でも通常と同じ様な波動状のパターン形成を得られた。 また、ギンツブルグランダウエネルギーの場合で、波動方程式の場合に結果を得た。これは、極超低温のギンツブルグランダウボルテックスの挙動を調べたことに当たり、物理で言うプラズマ振動と呼ばれる現象が観測された。典型的な場合については、ディリクレ境界条件下で、プラスとマイナスのワインディングナンバーをもつポルテックスは、互いに引き合い、衝突して消滅し、また跳ね返って元の状態に戻る。この繰り返しが行われることが分かった。さらに、ノイマン境界条件では、単独のポルテックスは外に飛び出し、ワインディングナンバーがひっくり返って戻ってくることが分かった。 上記のような興味深い数値計算による結果と共に、弱解の変分法による構成も行った。これは、時間差分空間微分型汎関数を用いて、各時間ステップごとに最小化関数として近似解を求め、時間方向に補完し、双曲型の近似解に対するエネルギー評価を出すことがメインのステップである。汎関数が、単純に凸ではないので、少々の工夫が必要になってくる。 以上の成果を、学術誌掲載(予定も含む)2報にまとめることができた。
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[Publications] Tianshou Zhou, Yun Tang: "Equations of motion of waves in excitable media"International J.Theoretical Physics, Group theory & Nonlinear optics. (to appear). (2003)
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[Publications] T.Nagasawa, K.Nakane, S.Omata: "Numerical computations for movement of vortices governed by a hyperbolic Ginzburg landau system"Nonliear Analysis. 51(1). 67-77 (2002)