2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00047
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
鳥居 祥二 神奈川大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常 進 神奈川大学, 工学部, 特別研究員
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Keywords | 高エネルギー宇宙線 / シミュレーション計算 / 装置開発 / 気球観測 / 国際宇宙ステーション / シンチレータ / 光電子増倍管 / 半導体検出器 |
Research Abstract |
今年度の研究実績は、以下のようにまとめられる。 1.南極周回気球のために必要なシミュレーション計算を実施して、観測時のトリガーレートについて精度の高い期待値を求めた。これまでの、シミュレーション計算コードの違いによる結果の不確定性を極力のぞくため、CERNなどで公開されているコードをすべてチェックしこれまでの実験データによく一致する「FLUKA」を用いた。さらに、観測装置におけるトリガー条件の設定について、いくつかの条件を求めて、データ送信時における不確定要素により、トリガーレートをいくつかの条件から選択できることも可能になっている。これらの成果は、現在論文を作成中である。 2.このほか将来の国際宇宙ステーションへの搭載を目指して開発中の宇宙線観測装置(CALET)のためのシミュレーション計算を実施し、この装置で最も重要な電子、陽子の選別に必要な装置の最適条件を求めている。さらに、実際に軌道上でトリガーレートがどれくらいになるかを求めて、装置の基本的デザインと回路システムの設計に重要な貢献をしている。 3.装置開発では、位置検出機能を持つ硬X線検出器の基礎開発を行い、CdTeダイオード検出器の性能を低ノイズ電荷増幅器を用いてテストして、所期の性能が得られていることを確認している。さらに、CsIシンチレータの多アノード光電子増倍管による読み出しシステムのテストを行い、期待通りの位置検出性能が得られることが判明し、将来の大型装置開発への道筋が開かれている。これらの、装置開発についても基礎データがまとまり次第、論文を作成する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 鳥居祥二, 常進 ほか: "高エネルギー電子、ガンマ線観測計画(CALET)"宇宙科学シンポジウム(第3回)会議録. (発表予定).
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[Publications] 鳥居祥二, 田村忠久 他: "PPB-BETSの機上データ取得システム"大気球シンポジウム(平成14年度). 1. 112-115 (2003)
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[Publications] S.Torii, T.Tamura et al.: "The CALET, Misson for the International Space Station"Nuclear Physics B (Proc.Suppl.). 113. 103-110 (2002)
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[Publications] M.Amenomori, S.Torii et al.: "Observation of Multi-TeV Diffuse Gamma Rays from the Galactic Plan with the Tibet Air Shower Array"Astrophysical Journal. 580,2. 887-895 (2002)
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[Publications] S.Torii et al.: "Observations of High-Energy Electrons with the BETS Instrument and the Future Prospects"Advances in Space Research. 30,5. 1273-1282 (2002)
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[Publications] K.Kasahara, S.Torii et al.: "Atmospheric Gamma-Ray Observation with the BETS Detector for Calibrating Atmospheric Neutrino Flux Calculations"Physical Review D. 66. 052004-1-052004-9 (2002)