2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00065
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
稲富 裕光 独立行政法人宇宙航空研究開発機構(宇宙研), 宇宙科学本部・宇宙環境利用科学研究系, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 躍 独立行政法人宇宙航空研究開発機構(宇宙研), 宇宙科学本部・宇宙環境利用科学研究系, 外国人特別研究員
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Keywords | 強磁場 / THM成長 / CdTe / 固液界面形態安定性 / 対流 |
Research Abstract |
強磁場下でのCdTe系結晶育成中の溶液内での流体挙動を調べるために、実際の試料形状、物性値を考慮して有限要素法に基づいた数値流体力学的シミュレーションを行った。その計算の結果、6テスラの軸対称均一静磁場中では低重力相当の対流抑制効果が期待できるものの、それに伴うマクロな固液界面形状の変化はほとんど起こらないことを明らかにした。またCdTe結晶のTHM成長に対して赤外線顕微干渉計を用いた固液界面形態変化のその場観察を行い、既に導き出した界面形態安定性モデルを基に平坦界面形状を安定に保てる試料の引き下げ速度を決定した。この理論的解析および上記の数値シミュレーションの結果に基づいて、原料、溶媒、種結晶を入れた石英ガラス製試料アンプルの試作およびTHM成長装置の改良を行った。 この改良した結晶育成装置を用いて、CdTeおよびCdZnTe結晶を成長温度750℃〜800℃、試料引き下げ速度4〜10mm/day、磁束密度0〜6テスラで長さ60mm程度の結晶を育成した。その結果、0テスラの場合はいずれの引き下げ速度でも界面形状が不安定化してセル状界面となり、またインクルージョン、多結晶の発生が見られた。これらの結果とは対照的に、3テスラ以上で育成した場合は界面形状が安定化し平坦となり、双晶、インクルージョンの発生が見られなかった。そして、得られた結晶の組成分布をEPMAで分析した結果、Cd、TeおよびZnのマクロ偏析は見られなかった。このように、強い均一静磁場を印加することで、速い引き下げ速度でもCdTeおよびCdZnTeの良質な結晶が育成出来ることを示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Wang, Q.Li, Q.Han, Q.Ma, B.Song, W.Jie, Y.Zhou, Y.Inatomi: "A two-stage technique for single crystal growth of HgCdTe using a pressurized Bridgman method"Journal of Crystal Growth. 263. 273-282 (2004)
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[Publications] Y.Uchida, Y.Inatomi, Y.Wang, K.Kudo, I.Jimbo: "Numerical simulation for S/L interface shape of CdTe crystal in THM growth under strong magnetic field"Space Utilization Research. 20. 224-227 (2004)