2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00066
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 幸雄 東京大学, 物性研究所, 助教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YOO Kwonjae 東京大学, 物性研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | 表面電気伝導 / 表面準位 / シリコン / 一次元電気伝導 |
Research Abstract |
表面電子状態あるいはその上の1次元原子構造による電気伝導を測定すべく、いくつかの電気伝導手法を試みている。表面電子状態による電気伝導を測定する場合、バルクを通して電気伝導および表面下の空間電荷領域における電気伝導の寄与をいかに減らすか、あるいは分離して測定するかが問題となるが、表面下に絶縁層を挿入する、電極間の距離を狭くする、反転層を形成する、などの測定上の工夫により表面準位電気伝導を検出することが可能となる。現在、Si(111)7x7表面やGa/Si(112)表面などを用いて、上記の方法によりその電気伝導やその方位異方性の測定を進めている。これまでの予備的実験に依れば、Ga/Si(112)表面の場合、Gaの1次元的構造が表面上に形成され、それに沿った電気伝導が促進されることが予想されたが、測定ではそれに対して垂直方向に電気伝導度が大きくなる結果となった。これはGe吸着によりその一次元構造とは垂直方向に重なりを持つ電子状態が形成されることによると予想され、現在光電子分光による電子状態測定を進めている段階である。また表面下に酸化膜を挿入した基板を用いてSi(111)7x7表面の測定を進めた緒果、200nmの厚さの表面シリコン層を持つ基板ではその電子状態から予想される金属的な電気伝導の振る舞いが観測されたのに対し、90nmの厚さを持つ基板では半導体的な振る舞いを示すことが判明した。現在、その原因について幾つかの可能性を考えており、それらの検証すべく実験を計画している段階である。
|