2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00078
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
神永 文人 茨城大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHOWDHURY Feroz MD. 茨城大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 熱サイフォン / ループ型 / 凝縮熱伝達 / 沸騰熱伝達 / 振動流 |
Research Abstract |
これまで、伝熱機器での作動流体の振動はできるだけ避けることが推奨されてきたが、従来型の単管熱サイフォンは管内で大局的流動がほとんど無いため、限界熱量が低く、非凝縮性ガスの影響を受けやすい欠点があった。この両者の欠点を無くす方法として、沸騰時に発生する流体の振動を利用することを考え、熱サイフォンを2本並列に並べループ状にした新しい概念の熱サイフォンを考えた。本研究ではこの熱サイフォンの凝縮熱伝達特性と非凝縮性ガスの凝縮熱伝達に与える影響に関して実験的に調べることを目的としている。特にこの熱サイフォンの特徴である大局的流量変動の影響が凝縮熱伝達に与える影響を調べ、この熱サイフォンの伝熱性能評価を行う。本年度は以下の研究内容を実施した。(1)蒸発部の沸騰によりどの程度の変動が得られるかを調べるため本実験用と同じ蒸発部を持ち、凝縮部がガラス製で可視化できるループ並列型熱サイフォンを製作し、その蒸発部熱伝達特性と凝縮部の流動特性を実験的に調べる。(2)凝縮部の熱伝達を調べるためのループ並列型熱サイフォンの製作と非凝縮性ガスの制御装置の製作。上記(1)の研究では、作動流体として水に加えて、フロンR-113とエタノールを用いた実験の結果以下の知見を得た。凝縮部上端まで作動流体が上昇する大きな圧力変動が観察され、熱輸送量が大きいほどその変動は大きくなる。特に作動流体の封入率が小さいほどその傾向は顕著であった。ただし、その振動は熱サイフォン内作動液のU字管振動数より小さな振動数となり、自振振動とは異なった振動となる。単管熱サイフォンとループ型並列熱サイフォンの蒸発部平均熱伝達率は同様な傾向を示した。上記(2)の内容としては、熱伝達を計測するために熱電対を取り付けた銅製の凝縮部を製作すると共に非凝縮性ガスを任意の量注入するための制御装置を自作し、次年度速やかに実験が開始できるよう調整作業を行った。
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