2003 Fiscal Year Annual Research Report
多自由度超音波モータを用いた低侵襲手術用マスター・スレーブマニピュレータの研究
Project/Area Number |
02F00080
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前野 隆司 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PARK Shinsuk 慶應義塾大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 超音波モータ / 医療用ロボット / マスター・スレーブシステム / 低侵襲 |
Research Abstract |
多自由度超音波モータを用いた低侵襲手術においては,患者の幹部を傷つけないために,ロボットハンドがコンプライアンス(柔軟性)を有することが不可欠である。ところが,従来のロボットのコンプライアンス制御では,、力センサによるノイズが無視できない,全自由度のコンプライアンス制御が困難であるなどの問題があった。このため,本研究では,ヒトの運動制御に学ぶ2自由度関節を有するロボットアームの平衡点制御法の検討を行った。まず,位置制御用アクチュエータと弾性要素を用いることによって単純なフィードバック制御により安全な制御を行うことが可能な従来の平衡点制御を拡張し,位置制御に超音波モータを,力制御にDCモータを用いるダブル・アクチュエータ関節の制御法を提案した。この手法によれば,従来の平衡点制御を可変コンプライアンスに拡張することができるため,ヒトの制御法に類似している上,ヒューマンフレンドリーである。つぎに,本手法を用いれば,容易に位置と力の制御を精度よく行えることを数値シミュレーションにより確認した。さらに,2関節4自由度を有するマスター・スレーブロボットアームを製作し,それぞれの関節に力制御および位置制御のための2自由度を持たせる平衡点制御手法の妥当性を検証した。実験の結果,本手法を用いれば,従来の手法よりも容易にコンプライアンス制御を行えることを確認した。本手法を,1年目に開発した多自由度鉗子に適用すれば,従来よりもさらに低侵襲な手術用マニピュレータの実現が可能になると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 朴伸錫, 竹村研治郎, 前野隆司: "多自由度超音波モータを用いた多自由度鉗子システムの開発"日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会'03講演論文集. 03-4. (2003)
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[Publications] Shinsuk Park, Kenjiro Takemura, Takashi Maeno: "Development of Multi-DOF Ultrasonic Actuators for Surgical Tools"Proc.Internoise 2003 the 32nd International Congress and Exposition on Noise Control Engineering. 3039-3046 (2003)