2002 Fiscal Year Annual Research Report
能動視覚による動的な空間知覚と立体形状認識システムの構築
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02F00089
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
出口 光一郎 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GALPIN Franck 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | コンピュータビジョン / 動画像解析 / 画像圧縮 / 3次元形状復元 / 符号化 / 能動視覚 / 3次元空間認識 / 視覚認識 |
Research Abstract |
人間の視覚では、その高度な情報処理能力とともに、一方で、眼球の様々な運動機構を巧みに利用して、巧妙な光学系により空間や対象の知覚・認識を行なっている。特に、人間の視覚において、両眼を融合して能動的に注視線を制御することで、ずっと容易に空間の認識をしていると思われる。 機械がインテリジェンスを持つためには、自らの置かれた動的な環境をすばやく的確に認識する能力を持つ必要がある。このとき、機械が眼(カメラ)を持ち、このような能動的な運動機構を模すことができると、的確で柔軟な認識システムが構築できる。 本研究では、人間の能動的な視覚機構の数理的な構造、特に注視のための身体運動と眼球運動の視覚情報処理における役割と、立体形状知覚センサとしての仕掛けを解明するとともに、その機構を模した自らも高速で移動したり首を振ったりできる能動的な搭載カメラによって、刻々変化する空間環境をとらえ、カメラの置かれている空間や対象の形状を実時間で認識するシステムを構築する。 さらに、このとき、このような目的で認識にとってよりよい画像を得るような運動をカメラ自らが想起して行動するための、能動視覚の基本原理を確立する。そして、ロボット視覚への応用を始めとする、画像センサによる3次元環境理解システムの実用化を図る。 画像センサの高性能化とコンピュータの高速化により動画像を実時間で処理できる可能性が高まりつつある一方で、上記のような能力を実現する能動視覚の理論的なバックグラウンドは完成されていない。これに対して、研究者らはこれまでの研究により、視覚がちょっとした能動的な行動能力を持つと、画像からの空間知覚のための計算がはるかに易しくなるという知見を得て、対象の形状や動き、自らの動きに応じてより良い視点を得る運動制御の手法を提案した。そして、本年度は、これらの理論を実現し実用化システムに結び付ける、実際の動画像を取り扱う、それも、そもそも動画像にはどのような情報が内在されており、それをどのようにして効率良く抽出するかの情報処理の理論に基づいた、動画像解析システムを構築している。 招聘したFranck Galpin氏が学位論文としてまとめている動画像の高効率符号化、特に、3次元シーンの構造を考慮した符号化を提案と、その研究を3次元空間の認識への拡張が、本システムでのおおきな特徴であり、次年度は試作システムを適用して、高能率、高機能な動画像解析を実現していく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Franck Galpin, Luce Morin, Koichiro Deguchi: "La vision par ordinateur pour la compression video"Proc. of Journees pour la Sciences et la Technologie. 88 (2002)
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[Publications] Franck Galpin, Koichiro Deguchi, Luce Morin: "Compression performance of computer vision based coding"Proc. of IAPR Workshop on Machine vision Applications. 416/419 (2002)
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[Publications] Raphaele Balter, Franck Galpin, Luce Morin: "Morphing 3D Automatique de Cartes de Profondeurs Maillees"Proc. of Coresa. (CD-ROM). (2002)
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[Publications] Franck Galpin, Luce Morin: "Sliding adjustment for 3D videorepresentation"Eurasip Journal on Applied Signal Processing, Special Issue on Signal Processing For 3D Imaging And Virtual Reality. 10. 1088/1011 (2002)