2003 Fiscal Year Annual Research Report
連続繊維補強材を用いたコンクリート構造物のリハビリテーション
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02F00092
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮川 豊章 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EL?SAYED Mohamed Anwar 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | コンクリート構造物 / 耐久性能 / リハビリテーション / 混和材料 / 細孔構造 / 養生条件 / 連続繊維補強材 / 補修・補強 |
Research Abstract |
本研究課題は,各種材料を用いたコンクリート構造物の耐久性について,破壊あるいは非破壊試験を用いて検討するとともに,コンクリート構造物のリハビリテーションに関して補修・補強効果および耐久性能についての知見を得ることを目的としたものである。 本年度は,前年度から劣化環境下に供してきたコンクリート供試体について,継続的なモニタリング,分析,破壊試験あるいは非破壊試験を行った。また,荷重あるいは環境作用により性能低下を生じたコンクリート構造物へのリハビリテーションの適用性を検討した。 以下に,本年度の範囲内で得られた主な結果を示す. 1.高炉スラグ,シリカフュームおよびフライアッシュ混入のコンクリートにおける塩化物イオンの透過遮断性は,普通コンクリートに比べて大きい。また,かぶり20-30mmにおける塩化物イオン量は,鋼材の腐食限界塩化物イオン量に比べてきわめて小さくなった。したがって,混和材混入コンクリートにおいては,同一の耐久性を得る条件下では,普通コンクリートに比べてかぶりを小さくできる可能性がある。 2.種々の養生条件下におけるコンクリートの力学的性能および耐久性能を明らかにするために,コンクリートの微視的構造に基づいた考察を行った。不適切な養生は,コンクリートの細孔量および細孔径分布に変化をもたらし,結果として,力学的性能や塩害,中性化などの耐久性能を低下させる。 3.電気化学的手法を用いたコンクリート構造物のリハビリテーションでは,コンクリートの種類によってそれ自体の電気化学的特性が異なるため,それぞれに対して補修効果の検討が必要である。種々の混和材を用いたコンクリートに対して通電実験を行い,コンクリート中の鋼材に対する補修効果と通電後の耐久性を確認した。 4.超音波パルス伝播速度は,連続繊維補強材層の材料の組み合わせによって差が生じた。また,環境作用を受けて劣化した供試体においては,いずれの材料においても超音波パルス伝播速度の低下が見られ,補強層の環境劣化による弾性率の低下を表していると考えられる。
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[Publications] El-Sayed Mohamed Anwar: "The Effects of Type of Cement and Curing Methods on the Pore Structure of Concrete"First International Conference Computational Methods in Materials Characterization 2003. 287-296 (2003)
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[Publications] El-Sayed Mohamed Anwar: "Properties of Concrete Containing Supplementary Cementing Materials with Time"Fifth Alexandria International Conference on Structural and Geotechnical Engineering. MT115-MT126 (2003)