2002 Fiscal Year Annual Research Report
処理性能と処理コストに基づく膜ろ過高度浄水システムの最適構成に関する検討-統計的解析と実験的検証
Project/Area Number |
02F00099
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
湯浅 晶 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Weiying 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | フミン質 / 凝集 / MF膜 / 分子量分布 / アルミニウム / 鉄 / フロックサイズ / ろ過 |
Research Abstract |
フミン質を多く含む泥炭地水をメンブランフィルターにてろ過し,懸濁物質を取り除いたのちの試料水を対象に,ポリ塩化アルミニウム(PACl),硫酸アルミニウム(Alum),鉄・シリカ高分子凝集剤(PSI)をそれぞれ凝集剤とした凝集ジャーテストと孔径0.1,0.45,1.0,3.0,5.0μmの有機MF膜によるろ過実験を行った。実験より得たデータを有機物の分子量分布,凝集剤の移行率,フロックの粒径分布などの視点から整理・解析し,その結果により天然有機物の凝集・ろ過処理特性を比較・検討した。 試料水の初期pHを7.0に調整した場合,E260とTOCによる有機物の残留率は凝集剤の注入率の増加に伴って減少する。また,いずれの凝集剤も,有機物の残留率の低下に伴ってその使用量が増加し,凝集フロックヘの移行率はある注入率以降からはそれぞれ約100%に達した。試料水の初期pHを5.5に調整した場合においては,pH7.0の場合に比べて,有機物に対する除去率が高く,必要とする凝集剤の注入率が低いことがわかった。PAClとPSIの場合では,それぞれある値までに凝集剤を加えると,凝集剤の凝集フロックへの移行率は増加する。これに対し,Alumの場合では,有機物の除去パターンに随伴するように,アルミニウムの使用量とフロックへの移行率は有機物の除去率の増加に伴って上昇するが,有機物の除去率が低下すると著しく低下する。 凝集剤の注入率をそれぞれ一定とし試料水のpHを凝集処理の全過程においてそれぞれ7.0と5.5に制御した条件下では,PAClとPSIを用いた場合,分子量が大きいフミン質の分画分は急速攪拌0.5分で5.0μm以上のフロックにまで成長し,フミン質全体は5.0μm以上のフロックと0.1μm以下の未凝集分に大別される。これに対し,Alumを用いた場合では,PAClとPSIの挙動と異なり,フミン質は5.0μm以上のフロックと0.1μm以下の未凝集分のほかに,0.1μm以上と5.0μm以下の中間フロック粒子にも含まれていることが確認された。
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