2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00103
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Jian?Tao 東北大学, 金属材料研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 第一原理計算 / スピン・軌道相互作用 / 低次元物質 / ナノ物質 / スーパーコンピューター / 磁性多層膜 / 表面吸着 / state tracking法 |
Research Abstract |
低次元系のスピンに関する第一原理シミュレーション計算を系統的に行い、その群細な理解を得ることを目的として研究を遂行した。特に、第一原理計算プログラムに従来は考慮されていなかったスピン・軌道相互作用を取り込むことを行い、実験のパラメーターを一切使わない第一原理計算本来の方法によって低次元系の磁性の議論を可能とすることに成功した。 本研究で開発した第一原理シミュレーションプログラムを表面吸着した原子に対して適用し、表面構造の最適化を行い、種々の新規な物性を予測することが出来た。磁性多層膜の計算を行い、その磁気モーメントの決定を行った。非平衡物質である多層膜は、従来のバルク結晶では得られない有益な物性を示すことがあるが、未だに完全な積層は困難であり、本研究によってその構造を決定することが可能となった。特に、原子構造は磁性に敏感に影響を及ぼし、理想的な形状決定が可能となることには大きい意義がある。 ナノスケールの物質が示すバルク結晶とは全く異なる物性を、本プログラムによって解析した。その中でも、Zr02やCe02は、1ナノメーター程度になると、格子定数がはっきり増大することを実験家との共同研究によって確認することに成功したことは特筆に値する。これらのナノ粒子を積層することにより、従来のバルク結晶では実現不可能であった新機能の発現を行わせることが期待される。 本研究成果は、国内外の会議で発表して、講論を高めている。今後、まとめて論文として国際的に著名な学術雑誌に報告する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Jian-Tao Wang: "Bi-induced Line Strcutures on Si(001) Surfaces"Asia-Pacific Surface & Interface Analysis Conference. N/A. (2002)
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[Publications] Jian-Tao Wang: "Stability of Sb line structures on Si (001)"Physical Review B. 65(Accepted for publication). (2003)