2002 Fiscal Year Annual Research Report
その場反応により形成したナノ粒子分散強化型マグネシウム合金の開発
Project/Area Number |
02F00104
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 明久 東北大学, 金属材料研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YUAN Guangyin 東北大学, 金属材料研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | Mg基ガラス合金 / 熱的安定性 / ガラス形成能 / 機械的性質 / ナノ結晶分散複合材料 |
Research Abstract |
1.Mg-Zn-Y合金に関する熱的安定性、ガラス形成能、機械的性質の系統的調査 Mg-Zn-Y系母合金を、純Mg、Zn金属、Mg-Y合金、Cu-Y合金を原材料に用いて、高周波溶解法により作製した。この母合金を用いて、これらの急冷薄帯とバルク材を単ロール式液体急冷法ならびに銅鋳型鋳造法によって作製した。ガラス相の調査はX線回折法、ガラス遷移温度、結晶化温度などの熱的安定性は、示差走査型熱量計(DSC)によって調査した。これらの材料の機械的性質は、インストロン試験機で引張り強度を、また、微小ビッカース硬度計を用いて硬度を評価した。 Mg-Zn系2元合金に対して、Yを添加することによって、過冷却液体温度域(=結晶化温度-ガラス遷移温度)の値が増大し、過冷却液体状態での熱的安定性が向上することが確認された。この中で、Mg_<75>Zn_<15>Y_<10>3元ガラス合金が最も大きな過冷却液体温度域を呈し、その値は23Kであった。さらにこの合金の引張強度は505MPaであり大きな比強度を有していることも確認された。このMg-Zn-Y合金に対して、さらにCuを添加する(Mg_<90-x-y>Zn_xY_<10>Cu_y, x:15 to 0, y:0 to 25 at%)ことによって、過冷却液体温度域がさらに拡大することが明らかになった。このガラス形成能は、ZnをCuで置換することにより拡大することから、CuがMg基ガラス合金のガラス成形に重要な元素であることがわかった。 2.上記のガラス合金探査に基づき、ナノ結晶分散強化型Mg-Zn-Y系複合材料の作製に成功した。この材料の諸性質については、現在調査中である。
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Research Products
(1 results)