2002 Fiscal Year Annual Research Report
風化岩石の物理的および鉱物学的特性の評価に関する研究
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02F00107
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 龍彦 室蘭工業大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DHAKAL GANESH PRASAD 室蘭工業大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 凍結融解試験 / スレーキング試験 / 風化 / 凝灰岩 / 片岩 / ネパール産岩石 / ドロマイト / 海水耐久性 |
Research Abstract |
環境変化に対する、岩石の耐久性を評価することは、岩盤斜面の安定牲や地下掘削の設計等、岩石力学の分野において、重要な役割を占めている。 ここでは、数種の岩石を対象に、凍結融解試験とスレーキング耐久試験を実施し、岩石の風化挙動について、実験的に調査した。 凍結融解試験においては、登別溶結凝灰岩を用い、主に実験供試体の寸法効果および形状効果並びに供試体が置かれる実験環境の影響に着目し試験を行った。 その結果、供試体寸法の大きいものほど、凍結融解の影響を受けやすく、このことはクラックの発生開始と進展挙動の観察からも裏付けられた。また不規則形状を有する供試体のクラック発生開始と進展は規則形状のものより早いことが分かった。これら一連の凍結融解作用の劣化指標としては、供試体の局部的な劣化に依存するP波速度変化より、供試体のマスとしての劣化を反映する重量損失の方が、より有効であることが確認された。 凍結融解試験においては、供試体がある程度劣化するまで凍結と融解のサイクルを繰り返し与える。この際、劣化しにくい岩石を選定した場合、従来型の供試体周囲を水で拘束する方法では結果を得るまでに、長時間を要する。より短時間で劣化指標を得る方法、即ち供試体周囲を薄いプラスチック製のフィルムで覆う手法を提案し、クラック発生開始と進展挙動着目し試験を行い、従来型と比較検討した。 その結果、本方法の将来性が認められ、今後データ蓄積の必要性が得られた。 風化指標を得る目的で、スレーキング耐久試験を二種の方法で実施した。一つは純水中、他は食塩水中である。 前者では日本の種々の場所から採取した岩石(凝灰岩、石灰岩、砂岩、片岩)と、北海道と気象環境が比較的類似しているネパールのヒマラヤ地方から採取した岩石(数種の片岩、ドロマイト)を用い、スレーキング耐久試験を行い、比較検討した。 その結果、北海道で採取した片岩はネパール産の片岩に比べ、風化し易いことが分かった。また、日本とネパールから採取した、カーボネート岩に関しては、日本産の石灰岩はネパール産のドロマイトに比較し、風化しにくいことが認められた。 海岸付近に産する凝灰岩を対象に、純水、0.1モルおよび1モル食塩水中、海水中でスレーキング耐久試験を行い、これらに対する風化性について検討した。 その結果、海水中での耐久性は0.1モルと1モル食塩水中のほぼ中間であり、純水中で最も風化しやすいことが分かった。さらに食塩濃度の増加と共に風化しにくくなる傾向が得られた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Ganesh DHAKAL, Jun-ichi KODAMA, Tatsuhiko GOTO: "The effect of surrounding condition and sample shape on deterioration of welded tuff subjected to freezing and thawing"The 1^<st> Kyoto International Symposium on Underground Environment -Role of Geo-technology to the Underground Environment-. Proceedings. 201-207 (2003)