2002 Fiscal Year Annual Research Report
土壌植物大気系の水移動に基づく塩分集積防止策の研究
Project/Area Number |
02F00109
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 洋平 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KHAN Nasir Mahmood 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 水ポテンシャル / 小麦 / 塩分集積 / 蒸散量 |
Research Abstract |
温度および湿度の制御された温室(バイオトロン)内で、地下水位を一定にした土壌ポット(小型ライシメータ)により、土壌水分量を一定とする条件で、植物の同一生育段階で土壌水中の塩濃度のみを変えて、植物(小麦)の水分消費量(蒸散量)との関係をみる実験を行い、蒸散が低下する(気孔が閉じる)ときの土壌水および植物の水ポテンシャルを求めた。その結果、以下のことが明らかにされた。 1)蒸散量も植物の水ポテンシャルも、高濃度の塩分が含まれる水を供給された小麦ほど、全体を通じて、値が小さくなった。その傾向は、日がたつにつれて次第に大きくなった。 2)水ポテンシャルは、-2.5Mpaに達したあたりから急激に低下した。 3)供給した塩分濃度が異なっていても、植物の水ポテンシャルと蒸散量の関係が1つの曲線として表されることが示された。 4)蒸散量は、-2.5Mpaになるまでは大きく変化するが、-2.5MPaに達した後はほとんど蒸散量は変化しなかった。 5)-2.5MPaの値が、全ての植物に共通する水ポテンシャルの閾値であるか、小麦固有の値であるかどうかについては、今後の更なる実験の成果を待たなければならない。
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