2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00116
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
入倉 孝次郎 京都大学, 防災研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DALGUER Grudiel Luis Angel 京都大学, 防災研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 地震動予測マップ / 動力学震源モデル / 強震動予測 / アスペリティ / 応力降下量 / すべり弱化モデル / 臨界変位量 / 触媒強度 |
Research Abstract |
震源断層の動力学破壊伝播および生成される地震動の数値シミュレーションのため、3次元有限差分法によるコードが開発された。このコードを用いて動力学震源モデルの数値シミュレーションを行い、震源断層の巨視的および微視的断層パラメータのスケーリングとともに、強震動予測のための震源の特性化の方法を明らかにした。結果は以下にまとめられる。 1.震源断層の動力学破壊伝播: 震源断層の動力学破壊について、自発的破壊伝播と一定破壊速度の破壊伝播による断層面での変位および変位速度分布の違いが研究された。一定破壊速度の破壊伝播モデルは一般に破壊が剪断応力の最大値の後で始まるなど降伏応力の条件を満たさない。この問題は破壊速度をS波速度の0.7~0.9倍にとった時に生じる。S波速度以下の一定破壊速度の伝播は物理的には実現不可能なことがわかった。しかしながら、一定破壊速度モデルに対する最終すべりやすべり速度の分布は自発的破壊伝播モデルのそれとほぼ同じとなる。このことは、一定破壊速度モデルでの計算が動力学震源の破壊モデルのすべりやすべり速度分布のスケーリングの議論に有効なことを示す。 2.動力学震源モデルによる断層パラメータの特性化 運動学的震源インバージョン結果に基づくSomerville et al.(1999)によるアスペリティの抽出では、アスペリティ面積と全破壊域面積の比は約0.22で、その時アスペリティの平均すべりと全破壊域での平均すべりの比は約2となる。動力学震源モデルを用いたシミュレーションにより、この関係を満足する応力降下の条件を明らかにした。アスペリティが1つの時、背景領域とアスペリティの応力降下の比は0.1、アスペリティが2つの時、背景領域の応力降下は0に対応する。この結果は強震動予測のための巨視的および微視的断層パラメータの特性化に有効である。 本研究の成果は、2004年7月バンクーバーで開かれる第13回世界地震工学会議で発表および米国地震学会誌(Bulletin of Seismological Society of America)に投稿予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Dalguer, L.A, K.Irikura, J.Riera: "Generation of New Cracks Accompanied by the Dynamic Shear Rupture Propagation of the 2000 Tottori (Japan) Earthquake"Bulletin of the Seismological Society of America. 93. 2236-2252 (2003)
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[Publications] Dalguer, L.A, K.Irikura, J.Riera: "Simulation of Tensile Crack Generation by 3D Dynamic Shear Rupture Propagation During an Earthquake"Journal of Geophysical Research. 108. 10.1029/2001JB001738 (2003)
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[Publications] Dalguer L.A., K.Irikura, W.Zhang, J.D.Riera: "Distribution of Dynamic and Static Stress Changes during 2000 Tottori (Japan) Earth quake : Brief Interpretation of the Earthquake Sequences ; Foreshocks, Mainshock and Aftershocks"Geophysical Research Letter. 29. 10.1029/2001GL014333 (2002)