2003 Fiscal Year Annual Research Report
平板状表面波励起プラズマのプラズマプロセシングへの応用とその評価
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02F00118
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
神藤 正士 静岡大学, 大学院・電子科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TEREBESSY Tibor 静岡大学, 大学院・電子科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 平板状表面波プラズマ / 高エネルギー電子ビーム / 高密度プラズマ / 同軸型T型チューナ / 経方向密度分布 / スロットアンテナ / 石英板 / プラズマ芝鳴 |
Research Abstract |
本研究は、平板状低気圧マイクロ波表面波プラズマの発生機構とプラズマ制御技術に関するものである。1990年代になって、スロットアンテナと石英板との組み合わせにより平板状大口径表面波プラズマの生成が可能となった。このプラズマは1mTorr程度の低気圧でも10^<12>cm^<-3>の高密度プラズマが生成される上、石英板から30mm以上離れると電子温度は1.0eV程度に低下するため、プラズマプロセシングに適ったプラズマ源としての応用が期待されている。 しかし、低気圧下でのマイクロ波電力のプラズマへの輸送過程の理解が未だに不十分である。このため本研究では、(1)表面波プラズマ発生機構に関する研究と(2)プラズマの径方向密度分布の制御方法に関する研究を相互に連携して行った。 初年度では、50mTorr以下のアルゴン中で、500〜100OWの2.45GHzマイクロ波で生成されるプラズマの電子温度とプラズマ密度を静電プローブで測定した結果、石英板から50mmまでの空間では、管軸に沿って石英板から下流方向に数10eVの高エネルギー電子ビームが流れていることを実験的に見出した。これは、石英板近傍でプラズマ共鳴現象が生じて強いマイクロ波電界が発生し、電子がこれにより統計加熱された結果と考えられ、プラズマ発生機構の解明に重要な手がかりを与える。 2年目では、E-Hチューナの原理に基づいて開発した同軸型T型チューナにより、石英板内部を半径方向に伝搬するマイクロ波電界を制御して、プラズマの径方向密度分布の制御を行った。これにより、平坦な径方向分布からプラズマ半径を放電容器内半径より短くした分布まで、プラズマ密度分布を自由に制御できることを確かめることができた。また、プラズマが側壁から離れると、壁からの不純物発生が大きく減少することも明らかにされた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tibor Terebessy, Milan Siry, Masashi Kando, Jozef Kudela, Dariusz Korzec: "Observation of a localized electron beam in large-area microwave discharge"Applied Physics Letters. 82・5. 694-696 (2003)