2002 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーイメージング干渉計を用いた大型ヘリカル装置(LHD)における粒子輸送に関する研究
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02F00119
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
森下 一男 (川端 一男) 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SANIN Andrei 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | 大型ヘリカル装置 / 異常拡散 / 乱流揺動 / 位相コントラスト干渉計 |
Research Abstract |
磁場閉じ込め高温プラズマ装置は閉じ込め形式をとわず,閉じ込め特性は荷電粒子の衝突による拡散でなく微視的な乱流揺動による拡散(異常拡散といわれる。)で決まっている。核融合科学研究所の磁場閉じ込め装置大型ヘリカル装置(Large Helical Device ; LHD)でも実験的に評価された電子の粒子拡散係数は荷電粒子の衝突によりきまる新古典理論値より一桁以上大きい。よって、LHDを始めとする磁場閉じ込め装置において乱流揺動の物理特性を実験的に明らかにすることは、核融合炉を実現するために極めて重要な研究課題である。 本研究では炭酸ガスレーザー(波長10.6μm)を用いてLHDプラズマ中の微視的乱流揺動の計測する新しい計測手法の開発を行っている。平成14年度は、計測手法原理の理論的検討,およびベンチトップでのテスト実験を中心に行った。従来のレーザーを用いた散乱計測ではプラズマの密度勾配による屈折により乱流揺動振幅の絶対値の評価が困難であり、また、空間分解が理論モデルと比較するのは十分なものではなかった。そこで、本研究において屈折の効果の小さい赤外領域の炭酸ガスレーザーを用いることにより屈折の影響を無視できるものとし,揺動振幅の絶対値を精度よく測定できる位相コントラストイメージング干渉計を開発した。また、局所量を測定するためにイメージング光学の結象の焦点深度を利用した新しい手法を開発した。これにより、波長10mm程度の乱流揺動にたいしてプラズマの小半径の10%程度の空間分解を取得できる技術を開発した。 2003年2月の実験で初期的なデータを取得することができた。平成15年度の実験で本格的な運用を開始する予定である。
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