2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00123
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
柴田 徳思 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Qingbin 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 加速器 / コンクリート / トリチウム / 塩素-36 / 加速器質量分析 / EGS4 / 中性子 / イメージングプレート |
Research Abstract |
加速器施設で生じる放射化物の最終処理を定めるにあたって、放射性同位元素の濃度を求めることが不可欠である。そこで、本研究ではその評価法を確立するために、ガンマ線放出核種の濃度評価を行うとともに、これまで濃度評価が困難とされている核種のうち、トリチウムおよび塩素-36について試料処理、化学分離、検出法の検討を行った。 本研究の分析対象は加速器施設の遮蔽コンクリートとし、旧東京大学原子核研究所のサイクロトロン、電子シンクロトロン、東北大学原子核理学研究施設の電子ライナック、大阪大学核物理研究センターにおいてコンクリート試料を採取した。 ガンマ核種の濃度とコンクリートの表面線量率との相関を求めるため、EGS4モンテカルロシュミレーションコードでの計算を行った。核種濃度から得られる計算結果と実際の表面線量率の結果は良く一致しており、表面線量から核種濃度の推定が可能なことが分かった。 また、トリチウム分析のため、ゴールドイメージ炉による加熱分離法を確立した。塩素-36は加圧分解容器による硝酸抽出、同位体希釈を行い、加速器質量分析法により分析する方法を確立した。これらの、分析結果とガンマ線放出核種の濃度との相関を調査し、上記2核種は熱中性子反応で生成していることが分かった。 上記研究に並行して、放射化の原因となる中性子の加速器室内での挙動を調べるため、放射化箔による低速中性子束測定を行った。実験は、本機構の中性子・中間子研究施設において、放射化箔(金箔)を設置し、一定期間後に回収した放射化箔の放射能をイメージングプレートにより検出、中性子束を算出するという方法をとった。この方法によって、中性子の拡がりが簡便、迅速かつ高感度に調べられることが確かめられた。
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