2002 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシング手法による地球温暖化に対する北方林生産力の変化のシミュレーション
Project/Area Number |
02F00125
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
竹内 延夫 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 ちじん 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 北方森林 / 生産力 / 衛星画像 / リモートセンシング |
Research Abstract |
本研究は衛星画像(Landsat-5 TM)と地上調査データ、および気象データを合わせて北方林生態系の生産力を解析した。 各バンドの輝度値とバイオマスの関係を調べた上、バイオマス情報の取得に適切なバンドを決めた。近赤外バンド(B4、B5)は植生タイプの判読に有意であるころに対して、可視光域では、各植生タイプの間の差が小さかった。とくに、バンド2(縁)は断面積に密接な関係を持つことが分かった。直線回帰分析結果によると、バンド2が断面積との相関係数は約0.8であった。これに対して、近赤外バンドがバイオマスとの相関係数は0.5であった。この相関関係を用いて研究地域のバイオマス分布を計算した。この結果によると、バイオマスは標高につれて増加しているが、一番上の森林帯ダケカンバ林の断面積が減少するパターンである。ピクセルごとの断面積は、針広混交林が2〜4m^2あるいは22〜45m^2/ha、針葉樹林が4〜5m^2あるいは45〜55m^2/haである。標高1800mから森林限界へ断面積が減少している。下から針葉樹林まで断面積が増加しているのは、森林構造の違いによると思われる。針広混交林には、高木層以下の亜高木や低木が非常に発育しているのに対して、針葉樹林では高木層以外はほとんどない。この低木層は本研究のバイオマスの計算に入っていない。衛星画像から解析した結果は実際のバイオマス分布パターンは一致している。 スペクトル反射率は季節の影響を受ける。つまり、植生の活動状態に関係する。生活季節の7月において、可視光の反射輝度が小さかった。とくに、バンド2の輝度値はもっとも低く、50以下であった。これに対して、近赤外バンドは非常に高い値を持っている。このパターンは植生の反射(近赤外)と透過(緑)が活発であることを示している。短波長近赤外(バンド5と7)は中間タイプに位置している。今後、画像取得の適切な季節を選ぶために、バイオマスと反射率の相関関係を解析する。また、生産力と気象条件との関係、および気候変動による生産力の変化のシミュレーションを行う予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Liu, Q.J., Kondoh.A., Takamura, T., Shao, G.: "Mapping of boreal vegetation of a temperate mountain in China by multi-temporal Landsat TM imagery"International Journal of Remote Sensing. 23・17. 3385-3405 (2002)