2003 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシング手法による地球温暖化に対する北方林生産力の変化のシミュレーション
Project/Area Number |
02F00125
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
竹内 延夫 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 ちじん(Liu Qijing) 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 北方林生産力 / ランドサットTM / 植生指数[NDVI / バイオマス / 胸高断面積 / 植生の分離性 / 高度分布 / 線形回帰分析 |
Research Abstract |
本研究は植生-気候関係の原理及びリモートセンシング技術を利用して冷温帯地域に分布する森林の第一次生産力の分布と変動の特徴を解析することを目的とし、Landsat TM衛星画像データと森林調査結果を利用して以下の研究を行った。いずれも、冷温帯の対象地域として、中国と北朝鮮の国境にある長白山の中国側を選択した。 1.植生判読、とくに森林バイオマスの解析に最適の季節の決定 TMの熱バンド(B6)を除いた6バンドを用いて、夏のNDVIとB4/B3が非常に良い分離性を示すが、B5/B4、B7/B5の分離性は非常に低いことを見出した。森林バイオマスとしては胸高断面積(basal area : BA)でバイオマスを表す。フィールド調査により、胸高直径を測って、断面積を取得した。 2.第一次生産力に密接な関係を持つバンドの決定。 1.で求めたバイオマスとスペクトル反射輝度との回帰分析を行った。夏季のデータのB2とB7がバイオマスと比較的高い相関(相関係数は0.7-0.8)をもっていた。これにより、第一次生産力に密接な関係を持つバンドは夏季のB2であることが分った。 3.研究対象のバイオマスの空間分布の解析 B2を用いて衛星データから空間分布を求めると、自然保護区内のバイオマスは高い分布を示し、また、伐採や風倒などの撹乱もよく反映し、空間分布を良く表すことが分った。また、高度とバイオマスの関係を求め、バイオマス量が主に気温と関係し、年平均気温が-2℃くらいで最大の値を示すことが分った。 4.気候変動による森林生産力の変化のシミュレーション 一次生産力と気候条件との相関関係が気温によって求められることが分ったので、これを用いて、気候変動により、気温が1℃変るとツンドラ、ダケカンバ、針葉樹林帯、混交林帯の高度区分がどのように変るかについてシミュレーションを行い、森林生産力の変化を予測した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Q.J.Liu, T.Takamura, N.Takeuchi, G.Shao: "Mapping of boreal vegetation of a temperate mountain in China by multitemporal Landsat TM imagery"International Journal of Remote Sensing. 23・17. 3385-3405 (2002)
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[Publications] Q.J.Liu, H.Q.Wang: "Monitoring of ecological restoration by satellite remote sensing : A case study in Xingguo County"Jiangxi Science of China. 21(2). 147-150 (2003)
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[Publications] Q.J.Liu, X.R.Li, L.L.Hu: "Monitoring of ecological restoration by satellite remote sensing : A case study in Xingguo County, Jiangxi Province, China."China Journal of Applied Ecology. (3)(accepted). (2004)
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[Publications] 劉 〓〓, 竹内延夫: "Landsat TM画像による北方森林生産力の推定"日本リモートセンシング学会第34回学術講演会予稿集. 34. 15-16 (2003)
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[Publications] 劉〓〓, 竹内延夫, 久世宏明: "Landsat TM画像による中国東北部における生物保護区植生タイプの判読"日本リモートセンシング学会第35回学術講演会予稿集. 35. 31-32 (2003)
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[Publications] Q.J.Liu, H.Kuze, N.Takeuchi: "The biomass of temperate forest in northeast China under global warming"第29回リモートセンシングシンポジウム講演予稿集. SY10. 89-90 (2003)