2003 Fiscal Year Annual Research Report
電気泳動法による金属・半導体ナノ粒子の2次元、3次元超格子の作成
Project/Area Number |
02F00140
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 啓作 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHAO ShiYong 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 金ナノ粒子 / 電気泳動法 / 電着法 / ナノ粒子結晶 / 自己集積超格子 |
Research Abstract |
ナノレベルで形、大きさを制御し、その表面状態を設計した表面修飾ナノ粒子がナノテクノロジーにおける次世代のキーマテリアルとして注目を浴びている。高真空中で作製されていた超格子に代わり、液体中で化学的に自己組織表面を持つナノ粒子を大量に作製し、これを用いて基板上にナノメートル周期の結晶が作成できるようになった。これまでは長鎖アルカンを硫黄原子を介して金属と共有結合させたナノ粒子を用い、粒子間の自己集積相互作用を利用して、ナノ粒子超格子を作成する研究が主流であった。使用する媒体は炭化水素を主体とする液体、いわゆるオイルが主で伝統的なコロイド化学で使用される水溶液中のゾルを用いた研究報告は皆無に近かった。 本研究ではタンニン酸還元法により作成したサイズが4.6nmの金コロイドを使用して2次元膜を作成することを目的に研究を行った。サイズ分布の分散が11%の金ナノ粒子を出発粒子として得ることに成功した。このコロイド分散液を乾燥させると不規則な2次元集合体が形成された。これはいわゆるDLVO理論の予言するところと一致している。この粒子の表面を更にオクタンチオールで修飾し、水と3%のアルコールの混合溶媒に分散させ、これを透過型電子顕微鏡用の銅のグリッドと展開したところ周期性を持つ2次元膜が形成された。これは伝統的な製法によるヒドロゾルから規則的な構造が乾燥状態でできた最初の例である。この成果を専門誌の本年3月号に発表した("The First Example of Ordered Two-Dimensional Self-Assembly of Au Nanoparticles from Stable Hydrosol" : S.Zhao, S.Wang and K.Kimura, Langmuir 20(2004)1977-1979)。 次のステップとして純粋なヒドロゾルとしてクエン酸還元法による金コロイドを構成要素とする3次元および2次元ナノ粒子超格子を電気化学的に作成する。これまでは溶液のpH、温度、粒子濃度をパラメターとして結晶成長を試みてきたが、本研究では電気泳動法により任意導電性基盤上に超格子を作成することを目的とする。この方法によりこれまでより1桁以上の結晶成長速度が期待される。
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Research Products
(1 results)