2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00143
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
小槻 日吉三 高知大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BULBULE Vivek J. 高知大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | アントラキノン / 分子内Friedel-Crafts / ステントリン / ヒペリシン / 酸化的カップリング / アントラセン / フェノール / 塩化モリブデン |
Research Abstract |
本年度得られた成果の概要は以下の通りである 1.分子内Friedel-Crafts反応を基軸とするアントラキノン骨格の合成:アントラキノン系生理活性天然物を合成するにあたって必要となる重要中間体を、分子内Friedel-Crafts反応により効率的に構築した。その際、新規反応条件として、安息香酸誘導体のメタンスルホン酸中での分子内反応が有効なことを見つけた。 2.アントラキノン骨格のアントラセン誘導体への還元的変換:アントラキノンユニットの還元的変換によるアントラセン骨格への変換が、水素化ホウ素リチウム試薬により室温でほぼ定量的に進行することを見出し、二量化反応を基本戦略とするステントリン・ヒペリシンのようなペリレンキノン骨格への誘導の手がかりを確立した。 3.MoCl5を用いる新規酸化的カップリング反応の開発:MoCl5を酸化的カップリングに用いる反応はほとんどの場合カテコール誘導体に限定されている。今回、塩素原子をTfOHで置き換えた試薬を用いると、β-ナフトールような化合物でもスムースに酸化的カップリングが進行し、対応するビナフトール系誘導体を与えることを見つけた。 4.分子内酸化的カップリングを基軸とするペリレンキノン骨格の構築:キシリル保護基をつけた種々のヒドロキシアントラセン誘導体の分子内酸化的カップリングによるペリレンキノン骨格の構築を種々検討した。Fe(II), Cu(II), Mo(V)等を含む酸化試薬を検討し、それらの官能基特異性/選択性を明らかにした。
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