2002 Fiscal Year Annual Research Report
ナノケモテクノロジーへの応用にむけた機能性無機化合物の高精度電子密度分布解析
Project/Area Number |
02F00148
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石澤 伸夫 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DU Boulay Douglas John 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 電子密度分布 / ナノケモテクノロジー / 機能性無機化合物 / ベータ型Si_3N_4 / 放射光X線回折 / 結晶学 / 第一原理計箪 |
Research Abstract |
ナノケモテクノロジーに応用される次世代結晶の構造物性研究を推進するため、結晶内の電子密度分布の実測と理論計算を併用して物質中の化学結合を本質的に理解し、その応用をはかることを第一目的として研究を進めた。微小結晶とシンクロトロン放射光を用いた無消衰条件下における回折強度データの収集を行い、従来よりも飛躍的に高い精度で電子密度分布を測定し、密度汎関数法に基づく第一原理計算シミュレーション結果と比較した。まず良質なベータ型Si_3N_4結晶の電子密度分布を測定し、その中心対称性の問題を明らかにした。実験は東京工業大学応用セラミックス研究所石澤研究室の各種X線回折装置および高エネルギー加速器研究機構放射光実験施設ビームライン14Aに設置された水平型高速四軸型回折計を用いて行った。得られたデータを現在開発中のXtal解析システムで解析するとともに、AbinitおよびWien2000コードなど密度汎関数法に基づく第一原理計算シミューレーションを行い、両者の比較を行った。この研究成果の一部を2002年8月にスイスで開催された国際結晶学連合会議で発表した。またこの研究の全体を2003年8月にオーストラリアで開催される電子密度分布に関する国際会議(サガモア会議)で発表する予定である。ベータ型Si_3N_4結晶以外では水の全分解の触媒材料として期待されるRb-Ta系複合酸化物、Cs-Ta系複合酸化物、Fe-Nb系複合酸化物などの結晶構造や電子密度分布に関する研究をすすめ、新しい知見を得た。研究成果を論文にまとめ現在投稿中である。
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