2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00151
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 龍三 東北大学, 大学院・教育情報学研究部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIONG Huaping 東北大学, 大学院・教育情報学研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | 遮熱コーティング(TBC) / 傾斜機能材料(FGM) / アコースティック・エミッション(AE) / 熱衝撃 / 国際研究者交流 / 中国 |
Research Abstract |
本年度は、傾斜機能(FGM)を有している遮熱コーティング(TBC)のミクロ構造と熱サイクル負荷時の破壊挙動との関連性を明らかにすることを目的として、2層TBC(PSZトップコート0.44mm+NiCrAlYボンドコート0.1mm)とFGM TBC(PSZトップコート0.2mm+PSZ/NiCrAlY中間層0.8mm+NiCrAlYボンドコート0.1mm)について、バーナー加熱試験機による熱サイクル試験を行った。なお、FGM TBCにおけるPSZ/NiCrAlY中間層は体積比が80/20、60/40、40/60、20/80の4層から成り、各層の厚みは0.2mmである。以下にその結果を示す。 両方の試料とも、加熱時に多孔質であるTBCの焼結が起こるために、熱サイクルの増加に伴いTBCの有効熱伝導率が増加し、やがてほとんど一定になるという挙動を示した。なお、破壊が起こる直前では多くのクラックが発生するためにTBCの有効熱伝導率は減少した。また、FGM材の方が2層材よりも有効熱伝導率が低くなり、優れた遮熱性を有していた。トップコート表面と基板材表面との温度差はFGM材で260〜640K、2層材で120〜150Kであった。破壊直前におけるトップコート表面の高温は、FGM材で1780K、2層材で1265Kであった。2層材とFGM材とで破壊に至るまでのAE発生挙動が異なり、2層材では冷却過程でAE信号がみられるがその数は少なく破壊直前の加熱過程で多くなっていた。一方FGM材では、加熱過程でAE信号が多くみられるが、破壊直前ではその数は少なかった。したがって,2層材とFGM材では破壊メカニズムが大きく異なることが示唆される。今後はミクロ組織構造の観察による破壊メカニズムの解明を行い、FGMの最適構造設計を試みる予定である。
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