2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00151
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 龍三 東北大学, 大学院・教育情報学研究部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIONG Huaping 東北大学, 大学院・教育情報学研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | 遮熱コーティング(TBC) / 傾斜機能材料(FGM) / アコースティック・エミッション(AE) / 熱衝撃 / 国際研究者交流 / 中国 |
Research Abstract |
本年度は前年の研究結果に基づき、(1)様々な厚みの傾斜機能TBC(Thermal Barrier Coating,熱遮蔽被覆)の熱衝撃特性および破壊メカニズム、および(2)2層TBC(ボンドコート+トップコート)においてボンドコート/トップコート界面の起伏状態が熱衝撃特性に及ぼす影響、について調べた。以下に得られた知見を項目別に記す。 (1)ステンレス鋼の基材上に厚さ0.75〜2.1mmの傾斜機能TBCをプラズマスプレー法により作製し、熱衝撃特性の評価および断面組織観察による破壊挙動の観察を行った。その結果、熱流束が一定であれば、厚さの大きい試料ほど表面温度が高く、温度落差も大きい。また有効熱伝導率が大きくなる。しかし、厚いコーティングはより少ないサイクル数で破壊に至る。またTBCの厚さにより破壊様式が異なり、薄い場合はセラミックリッチの表面層に亀裂が生じ、セラミックリッチ層の部分的なスポーレーション(剥落)が起こるが、厚い場合にはボンドコートとの界面付近に亀裂が生じTBC全体のスポーレーションが発生する。以上の知見は、現状のTBCよりも高温または温度落差の大きい環境下での使用に耐えうるような傾斜機能TBCの厚さ設計をする上での有用な情報となる。 (2)ステンレス鋼の基材表面を3種類の波状に機械加工することで、ボンドコート/トップコート界面の起伏状態を変化させた試料を作製し、熱衝撃特性を評価した。その結果、基材の表面状態によりボンドコートに発生する突起の大きさと数が大きく変化し,大きな突起(80μm以上)の数が多い、すなわちボンドコート/トップコート界面の起伏が大きい状態であるとより小さい温度落差でTBC全体のスポーレーションが発生することがわかった。この結果はより優れたTBCを作製するための基材の表面粗さ設計をする上で有用であるといえる。
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Research Products
(1 results)