2002 Fiscal Year Annual Research Report
ポリマー中での機能性ナノ粒子の合成と製造されたコンポジットの特性評価
Project/Area Number |
02F00156
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奥山 喜久夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ABDULLAH Mikajuddin 広島大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 酸化亜鉛 / ポリマー電解質 / ナノ複合材料 / ユウロピウムドープ / ナノ粒子 / ブルーシフト / 蛍光体 / 電気的特性 |
Research Abstract |
ポリマー中にナノメートルオーダーの無機フィラーを分散させた材料をナノ複合材料と呼ぶが、100nm以下の超微粒子(ナノ粒子)をフィラーとして用いると、ポリマー中における分散性が向上し、強靭化、難燃性、電気特性、光学特性等の向上が期待でき、現在注目を集めている。そこで本研究では、フィラーをポリマー中で直接成長させるシンプルな製法を提案した。本年度は本研究の初年度として上記提案に基づいて、ポリマー中で蛍光体粒子の合成を行った。具体的には、合成粒子に緑色の蛍光体材料として利用されている酸化亜鉛(ZnO)粒子を選択し、マトリックスポリマーにはポリエチレングリコール(PEG)を用いて蛍光性ポリマー電解質ナノ複合材料をin-situ合成し、その光学的・電気的特性についての評価を行った。 ZnOの蛍光スペクトルは粒子径に依存し、粒子径が小さくなるに従い蛍光色は青色の領域へとシフト(ブルーシフト)する。つまり異なったサイズのZnO粒子を合成することにより、この複合材料の蛍光色を変化させることが可能である。本研究ではプリカーサのように複合材料の特性を変化させるパラメータに着目して研究を行い、プリカーサのひとつである水酸化リチウム(LiOH)溶液の濃度を広範囲に渡って変化させるとZnO粒子の粒子径が小さくなることを発見した。その結果、青色から黄色に近い色までの様々な蛍光色を発する複合材料を製造することができた。 また発光領域を拡大させるために、赤色の蛍光色を示すユウロピウムをZnO粒子にドープした。そして我々は青色から赤色の様々な蛍光色を示す蛍光性ポリマー電解質ナノ複合材料を製造することができた。
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[Publications] Mikrajuddin: "In Situ Synthesis of Polymer Nanocomposite Electrolytes Emitting a high Luminescence with a Tunable Wavelength"Jornal of Physical Chemistry B. (印刷中). (2003)
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[Publications] Mikrajuddin: "Polymer Electrolyte Nanocomposites"Encyclopedia of Nanoscience and Nanotechnology. (印刷中). (2003)
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[Publications] Ferry Iskandar: "Optical Band Gap and Ultra Low Dielectric Constant Materials Prepared by a Simple Dip Coating Process"Journal of Applied Physics. (印刷中). (2003)