2002 Fiscal Year Annual Research Report
再生可能な水中固体酸の合成とクリーン化学プロセスへの応用
Project/Area Number |
02F00157
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
奥原 敏夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楚 文玲 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 水中固体酸 / クリーン化学プロセス / 水和反応 / 超強酸 / 再生可能 |
Research Abstract |
生産製造活動と快適な環境の持続の両立を考慮した化学プロセスの構築を究極の目的として、新規な水中で機能する固体酸触媒の開発を目的とした。ヘテロポリ酸系超強酸の多孔質化と疎水化により、水中でのオレフィン水和、加水分解、ホルマリン付加などに適用する。本研究ではヘテロポリ酸をメソ多孔体に固定化する方法やメソ多孔体の壁を構造体とする合成を試みた。目的とする水中固体の合成は将来の化学工業の方向に決定づける意義をもっている。 無害溶媒としての水の利用は環境改善の観点で有効であり、同時に水溶液原料の直接使用は原料精製や生成物分離を一切要しない低エネルギープロセスとして注目できる。具体的には、まず最大酸強度を有するポリオキソ系超強酸を直接合成する。すでに興味深い材料として、WO_3-Z_rO_2クラスター触媒が見出されている。これを用いて、エチレンの水和を検討した。その結果、高温焼成したWO_3-Z_rO_2は、従来最も高活性であると報告されている担持H_4SiW_<12>O_<40>を越える活性を示し、また寿命もはるかに長いことを見出した。この成果は現在国際誌に投稿中である。
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