2002 Fiscal Year Annual Research Report
超大細孔を有するチタノシリケートのテンプレート合成とその構造、物性
Project/Area Number |
02F00158
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 達也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
許 岩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | ゼオライト / ゲルマニウムケイ酸塩 / 単結晶回折 / 粉末XRD / チタノシリケート / 結晶構造 / 水熱合成 / 三環構造 |
Research Abstract |
重油のクラッキング、製薬分野などへの幅広い応用が期待されるため、超大細孔構造を有する新規ゼオライト合成が注目されている。最近、特にチタノケイ酸塩とゲルマニウム酸塩に代表されるゼオライト化学の研究は急速に進んでいる。本研究では、有機化合物を構造指向剤として用い、新規ポーラス材料を合成することを研究目的としている。なお、本年度の研究奨励費は解析用コンピューター及び化学薬品購入の費用に充てた。 1.新規ゲルマニウムケイ酸塩の合成と構造決定 まず、細孔構造を有するゲルマニウム酸塩を三種類合成することに成功した。単結晶回折及び粉末XRDにより、それぞれの結晶構造は以下のようである。化合物(1)NaGe_<4.75>O_<10> : a=7.320Å,b=14.416Å,c=15.494Å,α=90,β=100.17,γ=90,R=9.6%;化合物(2)(C_6H_<16>N_2)_mGe_xO_y : a=27.149Å,b=27.149Å,c=8.927Å,α=90,β=90,γ=90,V=6850.3Å^3;化合物(3)(TMA)_mGe_xO_y:なお、構造はXRDにより同定した。特に(1)は、一つの4面体と二つの8面体といった三環構造を有する新規ゲルマニウムケイ塩であることが明らかになった。 2.新規チタノケイ酸塩の合成 水熱合成法は細孔構造をもつケイ酸塩の合成に利用されているが、しばしば単相のケイ酸塩を得ることは困難である。そこで、溶媒に水ではなく有機化合物を用いる合成方法が提案されている。本研究は上記の方法で新規チタノケイ酸塩の合成を試みている。なお、溶媒には水とピリジンの混合物を用いている。その結果、新規ケイ酸塩を数種類合成することに成功した。現在、詳細な結晶構造解析を行っている。
|