2002 Fiscal Year Annual Research Report
メソポーラスモレキュラーシーブの高機能化のための分子工学
Project/Area Number |
02F00159
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
辰巳 敬 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FAN Weibin 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 外国人特別研究員
|
Keywords | メソ多孔物質 / チタノシリケート / 水熱合成 / 界面活性剤 / 液相酸化触媒 |
Research Abstract |
結晶性ゼオライトの高い水熱安定性、高触媒活性と非晶性メソポーラスの高い比表面積、均一なナノ細孔を併せ持つ新規二元機能性材料、ミクロ・メソハイブリッド物質の調製を試みた。ホウ酸を結晶化助剤に用い、チタン含有量の異なるMWW型層状前駆物質を水熱合成した。酸処理で骨格外チタンと骨格ホウ素め除去を行った。その後、二段階で目的物のミクロ・メソハイブリッド物質の調製をおこなった。まず酸処理を施した層状前駆物質について種々の界面活性剤と第四級アンモニウムの水酸化物の混合水溶液で処理し、層構造の切断と相間への界面活性剤の導入を行った。この段階で四級アンモニウムの水酸化物の添加量に依存する塩基性条件が層状ゼオライトの構造に影響を最も及ぼすことがわかった。次に,得た無機有機複合体についてpH調整を行い、酸性と塩基性条件下でメソポーラスへの転化させ、規則性の高いヘキサゴナル構造のメソ多孔物質を合成できた。一段階目の処理で用いた界面活性剤の分子の長さを変え、細孔径の異なる生成物を合成した。これらのメソポーラス物質は沸騰水による長時間処理に耐え、通常のものより水熱安定性が高くなっていることがわかった。X線回折測定ではゼオライトの長期秩序がなくなったが、赤外分光法測定によりメソ構造を構成する璧の中にゼオライトの基本ユニットが存在することがわかった。ゼオライトの基本構成ユニットの存在がこの物質の高い水熱安定性に貢献すると推測した。
|