2002 Fiscal Year Annual Research Report
In silicoモレキュラーインプリンティングによる人工酵素の開発
Project/Area Number |
02F00162
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
早出 広司 東京農工大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孟 子暉 東京農工大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | モレキュラーインプリント / 分子モデリング / 人工酵素 / in silico / クレアチニナーゼ / ヒダントイナーゼ / リパーゼ |
Research Abstract |
本研究ではバーチャルライブラリーにおいて合成されるモレキュラーインプリント触媒の合成方法;in silicoモレキュラーインプリンティング法を確立し、これを人工酵素開発へ応用することを目的としている。本年度はモレキュラーインプリントおよびin silicoモレキュラーインプリントの基礎的技術の提唱として以下の2種の人工酵素開発を行った。 1.モレキュラーインプリント技術を用いるマイクロスフェア状人工環状アミド加水分解酵素の合成 これまでに報告されている環状アミド化合物を加水分解するアミド加水分解酵素はその活性中心にヒスチジン残基、アスパラギン残基および亜鉛を含む。本研究では、本酵素の活性中心をポリマーで模倣し工業上重要な反応である環状アミド化合物の加水分解能力を有する人工酵素を開発することを目的とした。本人工酵素は鋳型としてD-5-phenylhydantoinを、酵素活性中心の模倣として4(5)-vinylimidazole, methacrylic acid-Co錯体を、ジビニルベンゼンを架橋剤として用いて合成した。合成されたマイクロスフェアは1〜2μmの直径に分布していた。本人工酵素はヒダントイン化合物の加水分解活性がみられた。しかし、同様な構造を有するクレアチニンを鋳型として合成した場合にはほとんど活性はみられず、本人工酵素の選択性が示された。 2.in silicoデザインによる人工リパーゼの開発 工業的に重要な酵素であるリパーゼを模倣した人工リパーゼをモレキュラーインプリティング技術で合成することを目的に、これまでの技術に加え、in silicoデザインを導入した。すなわち、リパーゼの活性サイトを種々の機能性モノマーで模倣し、さらに鋳型としてp-nitrophenyl esterを用い、バーチャルライブラリーを構築し、それぞれの会合体のエネルギー計算を行うことで、最適な機能性モノマーの組み合わせを見出した。このようにして選択された機能性モノマーから合成されたモレキュラーインプリトリパーゼは十分なエステル加水分解活性を有し、本方法の妥当性が示された。
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