2003 Fiscal Year Annual Research Report
機能性金属および半導体ナノ粒子の合成・組織化・キャラクタリゼーションと新規な光電子デバイスへの応用
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02F00165
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
相樂 隆正 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VADAKKAN Joy Thomas 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 酸化チタン / ナノ結晶 / ラマン分光 / 金ナノ粒子 / 銀ナノ粒子 / 銀合金 / 燃料電池 / プロトン伝導性膜 |
Research Abstract |
1.ナノ結晶アナターゼ酸化チタンの新規水相合成点の開発 硫酸根を対イオンとしたチタン(IV)の水溶液を合成し、さらにこれを原料として直接に酸化チタンのナノ結晶を合成することに成功した。XRDを用いた解析の結果、一次粒径が約7nmのアナターゼ結晶(ルテル相やアモルファス相は含まない)であることが確認された。このことはラマン散乱スペクトルの解析からも確認することができた。このナノ結晶は450℃までの加熱に対しても安定であり、また容易にペースト状の濃厚な水分散液とすることができて電気伝導性ガラス上に酸化チタンの薄膜を構成するのに極めて適していることがわかった。 2.燃料電池における触媒として働きうる金属ナノ粒子の開発 蟻酸を酸化する燃料電池における電極反応において、Au-Ag-Cu-Pd-Zn合金が極めて高い触媒活性を持つことを見出した。そのうちの決定因子成分となる金属の探索から、多くの燃料電池で高い活性を持つ触媒として、少量の白金を含む銀合金が有望であることがわかった。しかし、活性が高い組成ほど酸化されやすい欠点も判明した。これを防ぐためにはニッケルをさらに加えることが大きな効果を示すことがわかった。この触媒を用いた燃料電池系を組み立て、性能を明らかにした。 3.金属ナノ粒子を組み込んだプロトン伝導性膜の作製と機能の評価 ナフィオンなど、これまで燃料電池で用いられてきたプロトン伝導性膜の欠点を克服しうる膜を、ポリリン酸とシリコンテトラエトキシドを原料として、水を少量含むエタノール溶液中でのゾル・ゲル法によって作製することに成功した。この膜は、プロトン、および条件によってはアルカリ金属カチオンのみによる選択的イオン伝導性を持つことがわかった。さらに、Pt/Agなどの金属ナノ粒子の組込みを検討し、この膜の特性を評価できた。
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