2002 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックスのバイオミメティック合成プロセスの開発
Project/Area Number |
02F00166
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河本 邦仁 名古屋大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸 培新 名古屋大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | バイオミメティック / 自己組織膜 / 静電作用 / 銅 / TiO_2 / アパタイト |
Research Abstract |
近年、低温低圧条件下でのセラミックスの新規合成法は、省エネルギーで環境に優しいという利点があるためますます注目されている。我々は自己組織単分子膜の表面帯電性を利用して生体材料アパタイトとTiO_2誘電材料などのセラミックス、銅などの金属膜及び微細パターンの作製を試みた。この手法の本質は、負の表面電位をもつ初期核を均一核生成させ、これを正の表面電位をもつ自己組織膜基板に静電的に引き付けて堆積し、その後粒成長により薄膜化するというものである。溶液中で帯電微粒子を生成するため我々は、溶液条件(イオン種類、濃度、pH、錯体剤、温度など)の調整によってTiO_2、アパタイト及び銅生成のそれぞれに過飽和溶液を作製した。その上、上記の様々な溶液中で帯電微粒子をアミノ自己組織膜上へ静電的に付着させ、さらに成長させることによって、繊密なTiO_2、アパタイト、亜酸化銅及び金属銅膜の合成に成功した。また、光化学反応手法(UV照射)による自己組織膜微細パターン(部分的に正、負帯電する)を用いて、高い解像度があるTiO_2、亜酸化銅及び金属銅の微細パターンを得た。特に、今回の金属銅薄膜微細パターンの作製手法はPdなど触媒コロイド微粒子を使わずに、無電解溶液中に生成した銅微粒子を選択的に付着させることによるものである。この技術は、将来、半導体産業などで、銅の新規配線技術として幅広い応用が期待されている。
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[Publications] 諸培新, 増田佳丈, 米澤徹, 河本邦仁: "Investigation of Apatite Deposition onto Charged Surfaces in Aqueous Solutions using Quartz-Crystal Microbalance"Journal of the American Ceramics Society. (印刷中).