2002 Fiscal Year Annual Research Report
縮環系アルキリデンシクロプロパンの効率的合成と分子変換反応
Project/Area Number |
02F00169
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
徳田 昌生 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHOWDHURY Morshed Alam 北海道大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | アルキリデンシクロプロパン / アルキリデンシクロブタン / 環拡大 / 電解還元反応 / 電解カルボキシル化 / ジアゾメタン / ピラゾリン / ビラジカル |
Research Abstract |
1.シクロアルカノンのエナミンをヨウ素存在下メタノール中ナトリウムメチラートと反応させ、得られるアセタールを加水分解することによって、ビシクロ[n.1.0]アルカノンN, O-ヘミアセタールを合成できることをすでに報告している。今回、これらのヘミアセタールとWittig試薬との反応により、縮環した様々なアルキリデンシクロプロパン(ビシクロ[n.1.0]アルキリデン誘導体)が高収率で合成できることを新たに見出した。 2.縮環したアルキリデンシクロプロパン類の電極還元反応について非プロトン性溶媒中白金陰極-亜鉛陽極を用いて検討を行った。二酸化炭素存在下での電極還元反応では、モノおよびジカルボン酸が44-75%の収率で得られた。一方、二酸化炭素を加えないで電解還元反応を行うと、構造的に興味深いと思われるスピロ型の縮環化合物が38-74%の収率で得られることを見出した。 3.アルキリデンシクロプロパンのアルキリデンシクロブタンへの高効率環拡大反応を新規に開発した。すなわち、縮環したアルキリデンシクロプロパンをエーテル中室温でジアゾメタンと1,3-双極子付加させてスピロピラゾリンを位置および立体選択的に合成し、続いて熱分解することによって環拡大した縮環アルキリデンシクロブタン(ビシクロ[n.2.0]アルキリデン誘導体)を85-95%の収率で合成することに成功した。この手法は、様々な置換基を有する縮環アルキリデンシクロブタンの合成に極めて有用である。 現在、3環系アルキリデンシクロプロパンの合成および縮環した複素環化合物の合成などについて検討を進めている。得られる生成物は興味深い構造を有するので、それらの化学的および電気化学的分子変換反応などについても検討を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Morshed Alam Chowdhury: "Stereoselective preparation of 7-exo-amino-7-endo-substituted bicyclo[4.1.0]heptanes"Tetrahedron. 58・9. 1673-1677 (2002)
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[Publications] Morshed Alam Chowdhury: "A new synthesis of ring-fused alkylidenecyclobutanes by ring-enlargement reaction of bicyclo[n.1.0]alkylidene derivatives"Tetrahedron Letters. 44(in press). (2003)