2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00171
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡本 佳男 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAY Biswajit 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | リビングラジカル重合 / ラジカル重合 / ルイス酸 / 立体制御 / N-イソプロピルアクリルアミド / 希土類トリフラート / イソタクチック特異性重合 / 付加開裂移動型(RAFT)重合 |
Research Abstract |
近年、リビングラジカル重合法は急速な発展を遂げ、様々なモノマーのラジカル重合で分子量や分子量分布の制御は可能になっている。しかし、これまで、ラジカル重合でポリマーの分子量と立体規則性を同時に制御した例は知られていない。我々は、これまでの研究でアクリルアミド誘導体のラジカル重合で、希土類トリフルオロメタンスルホン酸塩(トリフラート)などのルイス酸を触媒量重合系に添加することにより、重合がイソタクチック特異的に進行する事を見いだしている。そこで、本研究では、ルイス酸による立体制御とリビングラジカル重合法を組み合わせることにより、ポリマーの分子量と立体化学の同時制御を試みた。 ルイス酸存在下、ジチオエステル化合物を用いて、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)の付加開裂移動型(RAFT)重合を行なった。その結果、60℃、トルエン-メタノール混合溶媒中、希土類トリフラート存在下でのRAFT重合で分子量分布1.8前後の比較的分子量分布の狭いイソタクチックなポリマーの合成に成功した。ポリマーの分子量は重合転化率の増加とともに直線的に増加し、その分子量は収率から換算される理論分子量とよく一致し、本手法により生成ポリマーの立体規則性と分子量の同時制御がある程度可能となった。また、RAFT重合によりステレオブロックコポリマーの合成を試みた。まず、ルイス酸不在下でNIPAMのRAFT重合し、アタクチックなポリマーを合成した。その後、ポリマーを単離することなく、重合系にルイス酸を添加することにより、アタクチック部分とイソタクチック部分からなるステレオブロックコポリマーのが得られた。 本手法は、高度に構造の制御されたポリマーの合成を可能にし、ラジカル重合の新しい応用への道を開くものである。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] B.Ray, Y.Isobe, K.Morioka, S.Habaue, Y.Okamoto, M.Kamigaito, M.Sawamoto: "Synthesis of Isotactic Poly(N-isopropylacrylamide) by RAFT Polymerization in the Presence of Lewis Acid"Macromolecules. 36. 543-545 (2003)