2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規な高性能高分子としてのポリベンゾオキサジンの開発
Project/Area Number |
02F00172
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
竹市 力 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ABDEL?RAHMAN Agag Tarek 豊橋技術科学大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ポリベンゾオキサジン / 架橋性官能基 / 耐熱性 / 高靭性化 / アロイ化 / 分子複合化 / ポリイミド / ポリ(イミドーシロキサン) |
Research Abstract |
開環重合で得られる新規な樹脂であるポリベンゾオキサジンの高性能化を目的として、環状モノマーであるベンゾオキサジンの分子設計および高性能高分子との分子複合化という2つのアプローチを行った。 1、新規なベンゾオキサジンのモノマーの分子設計 アリル基、プロパルギル基、エチニル基など種々の架橋性官能基を導入した新規なベンゾオキサジンモノマーを合成した。合成して得られる新規モノマーの構造をNMR、IR、元素分析などで確認した。環状モノマーのDSCを測定した結果、オキサジンの開環重合と架橋性官能基の反応による発熱が出現した。発熱の現れ方は、モノマーの構造と架橋性官能基の種類によることがわかった。DSCの結果に基づいてモノマーの熱処理を行い、シート状に成形したところ、硬くて強い高分子材料が得られることがわかった。新規な樹脂の耐熱性を評価したところ、物理的耐熱性の指標であるガラス転移温度や軟化温度さらに化学的耐熱性の指標である熱重量減少温度が大幅に向上することがわかり、架橋密度の向上と熱分解による揮発成分のアンカリングの効果が確認された。 2、高性能高分子との分子複合化 代表的な耐熱性高分子であるポリイミドの前駆体であるポリアミド酸とベンゾオキサジンとのブレンド、熱処理により、ポリイミドとのアロイ化を行った。その結果、ポリアミド酸のカルボキシル基の効果で開環重合温度の低温化が達成でき、得られる樹脂は耐熱性や力学的性質などが大幅に向上した。さらに、無機エラストマーであるポリジメチルシロキサンをポリイミドと共重合させたポリ(イミドーシロキサン)をベンゾオキサジンとブレンドまたは共重合させることによって、アロイ化した結果、耐熱性だけでなく靭性にも優れた良好な力学的性質を有するアロイ化フィルムが開発できた。
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