2002 Fiscal Year Annual Research Report
コールベッドメタンの開発と二酸化炭素固定に関する炭層構造の研究
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02F00176
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島田 荘平 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Huoyin 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 地質擾乱 / ガス拡散 / ガス流動 / フラクチャー / 脆性変形 / 延性変形 / メタンガス / ガス突出 |
Research Abstract |
イーマルな石炭(地質擾乱を受けていない石炭)についてはメタンガス移動モデルは二段階システム、すなわち、拡散(ミクロ細孔からクリートまで)と流動(クリートから生産井まで)という二段階のモデルで、研究者たちに認められている。 しかし、地質応力によって構造変形を受けた石炭についてはメタンガスの移動様式はまだ詳しく研究されていない。本研究では坑内堀炭鉱でのガス突出、炭層ガス含有量、ガス湧出量とガス回収率の実際の資料を調査し、それらと炭層の構造変形の特徴を関係づけて構造変形がメタン移動へ与える影響をまとめた。偏光顕微鏡、SEMと水銀圧入法を利用して、各種類の変形構造を受けた石炭サンプルを分析した後、地質応力でせん断された石炭についてのメタン移動の新しいモデルを提出した。 結論として、石炭層の構造変形は脆性変形と延性変形に区分できた。両方とも構造的なフラクチャーが多く認められた。構造フラクチャーの生成のためにメタンガス拡散の距離は短縮されたが、メタンガス流動形式は変形特徴によって異なる。脆性変形を受けた石炭には連続的にオープンなフラクチャーが生成されているので、ガス流動は速い、そのため、CBM回収に好都合と考えられる。一方、延性変形の石炭には構造フラクチャーが多数形成されたがその連続性が悪く、亀裂幅も狭い。そして、元来のクリート(原生フラクチャー)も擾乱、圧縮されている。SEMと水銀圧入実験ともその特徴を示している。このような区域では炭層のガス含量が多いのにもかかわらず、ガス流動が遅く、ガス回収が難しい。また、ガス突出がしばしば発生する。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Huoyin LI, Yujiro OGAWA, Sohei SHIMADA: "Mechanism of methane flow through sheared coals and its role on methane recovery"FUEL(International Journal). (In Press, Available online March 18, 2003).